最終回にむけて
★★★★☆
前巻までは主にアルセイフ側を中心としたお話でした。国王暗殺から、神殿の奪還、タートムなど他国の侵攻を防ぎ、暗躍する大国ラトロアの間諜に手を焼きつつもなんとか一段落したところまでですが、今回はなんとウルクの姉で、全ての信仰の象徴ともいうべき神姫ノエルが登場します。それにより物語りは一気に加速します。アルセイフの第4王子であったフェリオの前には自国を守るだけではこの世界全体に及ぶ危機を防げないという壁が立ちふさがり、今の立場を超えて自分のなすべきことをフェリオは見つけます。舞台がちょうど移ろうとするのがこの巻だと思います。それにリセリナとウルクとフェリオの関係にも変化が…。ウルク、後押しで一歩リードなるか!?(笑)来訪者たちの行方と、死霊の恐るべき力が引き起こす恐慌からも目が離せません。あとカシナート司教好きの方にはおいしい巻だと思います。ぜひぜひ皆様にも拝読していただき、この世界観を存分に楽しんでもらいたいです。