分かる文章になっていない
★☆☆☆☆
筆者がかなり古代史に精通していることは分かるが、論点が次々と飛び、散々こじつけた挙句、
『微妙な力関係があるように思えてならない』といった曖昧な結論。
おとぎ話と古代史の因果関係を紐解くというよりは、古代史に関する知識を知っている範囲で
展開しているだけであった。
また、一冊の本を仕上げるには全体感が必要だが、読者を意識して書いた様には思えない程、
構成の欠けたものであった。正直読んでて疲れた。
この本で何が言いたかったのだろう。もう少しストーリーをご自身が整理してから書くべきだっただろう。
分かり易い?難い?
★★★★☆
本書の内容は大変興味深く、面白く読めました。ただ、文体それ自体は分かりやすいのですが、ある程度の古代史に関する知識がないと難しいです。天照や大国主などの古事記に出てくる人物が多々、本書に出てきますが、私のように一通り表面上の知識しか持ち合わせていない方でしたら、頭の中で意識的に整理しながら読んでいかないと頭に入りません。ましてや古代史に初挑戦という方でしたら、さぞ骨を折られることでしょう。
古代史に精通した方ならすぐに読破できると思います。
蛇足
★☆☆☆☆
関裕二氏は在野でありながら、詳細な検証と独自の発想で古代史の定説に一石を投じてくれました。
しかし、最近の著作のほとんどが既出の本の内容の使い回しであり、ほとんど更新がないのはどういうことか。
とくにこの作品は酷い。
全く新たな視点も見られず、一般読者の気を惹きそうなテーマを手垢まみれの過去の自説に強引に結びつける。まるでトンデモ本系の作者のようだ。
他の氏の作品を読んだ人には得るものは何もない。
初めて関氏の著作を読む人にとっては、肝心な結論の所で「過去の著作で散々書いたから省略」と言われては本を投げつけたくもなろう。
よって関氏の親戚縁者の方以外には薦めようがない。
関史観は非常に興味深いものではある。
読むなら別の評価の高い作品を。