教科書として最適な一冊
★★★★★
国際法の範囲の大きさからその中味に立ち入ることはできないが、本書は国際法の全体像を分かりやすく、コンパクトにまとめている。それゆえ、教科書として用いるのならば、国際法の理解にとって、最適、かつ有用な一冊であろう。下記に記したように、全く問題が無いわけではないが、非常に分かりやく、便利な点から、ちょっと甘めに星は5つにしている。
国際法未修者にとっては、最低限、理解しておかねばならない「ライン」を示している。
既習者にとっても、小ぶりながら、要領よくまとめられた本書は、これまで学んだ知識の再確認にはもってこいの一冊となろう。
国際法を試験科目とする場合でも、まず手始めに本書の各項目を丹念に読み込むことで、要点をいち早く理解することができるだろう。その意味で、国際法の試験準備にはまず手にしてほしい一冊である。
ただ、若干誤植なのか表記ミスが数ヶ所、見受けられたので、きちんと『国際法辞典』なり『国際関係法辞典』、『国際法判例百選』、そして毎年刊行される『国際条約集』などを脇において年号等を確認しながら勉強することをあわせてお奨めする。