本当に利益を出せるビジネスモデルを評価するための方法論
★★★★☆
組織にとってメリットのある考え方ができているのかどうか、組織のモデルをイメージする上で欠けているものがないかどうかを確認したくて購入通読
読んでみると、組織が継続した利益を創出してくために必要な基盤となる考えは「利益思考」を説明し、その思考を利用してビジネスの役割を分析して、新しいモデルを構築するために考えるべき要素を紹介してくれている。意識して考えるべきポイントとして「事業評価マトリクス」「コアコンピタンス」「ニーズとシーズ」など面白かったです。特にニーズとシーズを結び付けるために間に提供可能な機能を置くことで最適なニーズに近づけるという考えは非常に有効なツールだと感じた。各章ごとに、事業構築における各シーンで重要になる思考方法、見る角度を説明してくれているのでいつでも読める場所に置いておきたい一冊になっていると思います。
組織の役割、利益が出る組織になるにはという視点で必要なことが網羅されていると思います。事業という視点で社会の様々な組織を分析したいときには、本書に含まれているさまざまなキーワードが背後にあることを認識したうえで見つめると、今まで見えていなかったものが見えてくると思います。
扱っている内容がなかなか言語化しにくい分野であると言えるが,著者はそれを上手に説明している。
★★★★☆
企業というものは,ボランティアでない限り利益を追求しなければならない。また,それと同時に社会貢献を目的としたものでなければ,本末転倒でもある。しかし,その両立はかなり難しい。そのような意味で,「利益追求」というのではなく,「利益思考」について学びたいと考え,本書を購入した。つまり,利益を追求しなくても,結果的に利益が得られるというのが,理想的な企業であるが,現実的にはそれはかなり難しい。顧客に対して,いかに商品を認知してもらうかという技術は必ず必要なものであると考えられる。
私がこの本で学んだのは,次の通りである。
・「爽健美茶」「ジョージア」「アクエリアス」がナンバー1になったのは,単純なおいしさや発売時期の順番ではなく,結局は自動販売機の数や広告投資額が要因だったのです。
→どんなによい商品でも,顧客の目に触れなければ,売上げは上がらない。広告投資の重要性。
・「市場の魅力度」を高める施策
→これはなるほどと感じた。同じ市場の競争相手を単に意識するだけでなく,その競争相手と共に,市場の魅力を高めていくという発想は,確かに重要であると感じた。簡単なことではないが。
・「シーズ発想」(←→「ニーズ発想」)
→「こんな技術が開発されたが何かに利用できないか?」という発想。
・実際に刑務所で行われている事例としては,大学入試などのテスト問題の印刷があります。
→知らなかったので,驚いた。
・下手な営業担当者がよくやってしまうのは,過度に顧客のいうことを聞いて期待度を必要以上に上げてしまうことです。それをすると,そこを次からもクリアしなければ顧客に満足してもらえなくなります。
→これは,とても現実的な発想だ。理想を言えば,顧客に対して可能なことは何でもしてあげるというのが,理想だ。私も今までそのような考え方でいた。しかし,それは,著者が言うように,顧客が傲慢になる可能性がある。非常に難しいポイントだ。
・彼(交渉の第一人者フィッシャー教授)は「交渉で一番重要なことは何ですか?」と聞かれると,「preparation」(準備・用意)と答えるそうです。
→事前準備の重要性。確かにそう思う。
以上である。この本は,扱っている内容がなかなか言語化しにくい分野であると言えるが,著者はそれを上手に説明していると感じる。この本を読んで「明日から,こうしよう」という具体的な案件は浮かばなかったが,それでも考えさせられる部分というのは多々あった。この本を読んで知ったこと,学んだことを今後に活かしていきたい。
肝心なところが腑に落ちない
★★☆☆☆
この本の肝は「事業評価マトリクス」になると思う。
ただし、この「事業評価マトリクス」を何度読んでも腑に落ちない。
試しに他の人に見せても理解できなかった。
「事業評価マトリクス」は、事業を
@魅力的な市場の発見
Aその市場で勝っていく
の2軸で評価するが、
@の例が薄型テレビであり(つまりソニーやパナソニックでも容易ではないということ)、とても魅力的な市場とは考えられない。
ここが理解できなかったので、最後まで疑心暗鬼になってしまう。
後半は、利益思考というより、ブレーンストーミングやロジカルシンキングの内容になってしまい、在り来たりに感じてしまう感がある。
グロービスというMBA講師の方が執筆されたことを考慮すると低い評価にならざるを得ない。
「利益」にフォーカスすれば視点が変わる
★★★★☆
「利益」という言葉を聞くと、あまりよいイメージを持つ人は少ないと思いますが、
利益がなければ、企業の成長もなく、国家としての成長もなく、
顧客自身に良いサービスが提供出来ない。
例えば、利益があるから給与の支払いが可能であり、
「ちょうどこんな商品を探していた」という方に認知して頂くため、
広告があるというわけです。
本書ではそんな利益の説明から、利益を出す原則、
改善のヒントからビジネスモデルの説明まで多くのことが紹介されています。
管理職になる直前のビジネスマン、
将来起業を考えている方にお勧めです。