『猟奇的な彼女』に続き、韓国でヒットを記録したクァク・ジェヨン監督による恋愛映画。女子大生ジヘはある日、母ジュヒが大切に保管していた古い手紙と日記を見つける。そこには、母が若い頃愛した人とのやりとりがつづられていた。それを夢中になって読むジヘもまた、切ない恋の最中。時代を隔てた2つの恋の行く末が描写され、やがて結びつく…。
前半部、それぞれの時代の恋人たちがすれ違いを繰り返しながら心を通わせていくシーンは、音楽と映像美によって情感豊かに演出され、この上なく甘美。役者陣の清楚な存在感も好感度が高い。後半はドラマティックに盛り上がるが、展開が唐突に思える部分も。ラストの“奇跡”を運命的ととるかご都合と思うかで評価が分かれそうだが、洗練を目指さずに“古典的なメロドラマ”を作ったという監督のもくろみは成功しているようだ。(安川正吾)
Very good conditions
★★★★★
Very clean and tidy packaging.
ああ、初恋
★★★★★
「アンチ韓流映画」+「アンチ恋愛映画」の愚生がある日、戦争映画でも観ようと
レンタルショップを訪ねた際のことである。
あるパッケージのDVDに、こんなアラフォーオヤジが目を奪われたのである。
脳裏に眠る初恋の記憶をそのまま写真にしたかの様な、そんなパッケージのDVD
のタイトルは、
「ラブストーリー」
という、なんともベタなものであった。
普段の愚生であればまず、レンタルすることのない作品である。
しかし、主人公と思しき少女の美しいこと・・・
写真の美少女は、物憂げながらどこかに凛とした佇まいを見せるティーンエイジャー。
腕には雨傘らしきものを持っている。
そしてこの美少女は、写真中央に位置していない。
やや右側にこの美少女が立つ構図の写真になっている。
これはまさに、思春期青年が恋愛対象を眺める時の図ではないか。
思春期において男は、女性に神性を見るのだ。
そんな美しい生き物を、直視できるものではない。
「キミを見ていたんじゃない。他を見ていた。」
なんてエクスキューズをするために、そんな視点で対象を見る。
この写真はまさに、思春期だった愚生が、神性を具現化したかのような美を鑑賞するときの
そんな構図そのままだった。
「キミを見ていたんじゃない。他を見ていた。」と云えるような予防線を張りつつ、
美しい神を眺めていた頃の自分を思い出していた、
そんなアラフォーオヤジは早速、この作品をレンタルして鑑賞をしてみたのである。
この、初恋の記憶を見事にパッケージに再現していた本作品だが、
内容もまた見事であった。
「アンチ韓流映画」+「アンチ恋愛映画」の愚生がその後、本作品のDVDはおろかサントラCDまで購入してしまった理由を以下いくつか挙げてみると、
1) 主人公女優の美しさ
2) 主人公女優の佇まいの良さ
3) 男性俳優陣の凛々しさ+ユーモラスさ
4) 思春期男性のアホさ加減の描き方のよさ
5) 挿入音楽の素晴らしさ
6) 挿入音楽と映画各シーンの卓越した調和
7) 絵画を意識したかのような各シーンの挿入頻度
8) 感動のエンディング
となろうか。
あの日、DVDレンタルショップで心を奪われた、
やや右側に位置する美少女の写真をパッケージに持つ本作品。
初恋のとき「キミを見ていたんじゃない。他を見ていた」とのエクスキューズを発するための
予防線とでもいうべき構図をそのままパッケージにした本作品。
作り手の映像はそのまま、観客の初恋の記憶を甦らせる触媒となるであろう。
「韓国映画、おそるべし」である。
(その後しばらく、韓流映画にハマッた愚生。)
一人で観たい映画
★★★★★
映画は、2003年リリース。監督のクァク・ジェヨンは、『猟奇的な彼女』を撮った監督だ。『猟奇的な彼女』もイイ映画で、なおかつ一人で観たい映画だった。この監督は学生時代を描くのがとても上手い。一人で観て学生時代を甘酸っぱく思い出すのだ。
何といってもソン・イェジンが可愛い。最近の彼女のサイトの彼女は好きではないが、この時の彼女はとても可愛い。この後、主演した「私の頭の中の消しゴム」と「四月の雪」は2作とも、2005年に日本で封切られた全外国映画の興行収入ベストテンにランクイン。そして、日本での韓国映画の興行収入の中では第1位(私の…)、第2位(四月の雪)となった、というのも頷ける。
一人でむかしむかしやらもろもろを思い出す映画。そういう映画もある。
タイトルに偽りのない純粋なラブストーリー。
★★★★★
監督のクァク・ジェヨンの作品は既に見ていたので、また独特の作りかなと思ってみたら母と娘のそれぞれの恋愛を描く正統派のラブストーリーでした。とても純粋な描き方でこんな演出も出来るんだこの監督は、と思いました。さりげなく戦後の韓国のベトナム参戦や反対運動も盛り込みつつ韓国の戦後史の1ページも教えてくれました。それでいて巧みな構成の純粋なラブストーリー。ソン・イェジンの透明感ある美しさにもとても好感が持てました。
美しさの陰に
★★★☆☆
感動している人はジュヒに自分を投影させているんだろうな。
だけどさあジュナはジュヒが別れようとしたのに必死になって食い下がっておきながら
戦争から帰ってきた後にやさしく受け止めてあげないのは何?
失明したから?だったら失明したあとに何故他の人と結婚するの?
ジュヒへの思いを残しながら(ラストのネックレスから容易に推測できる)
他の人と結婚するって言うのはないだろう?
結婚相手つまりサンミン先輩のお母さんに失礼でしょ。っていうかある意味心は裏切ってるでしょ。
テスだってジュヒのことが好きなのだが、ジュヒがジュナと相思相愛だから身を引くわけで、
自殺の原因だってジュヒを政治家の娘だから結婚させようとする父親との確執に起因していると見られる。
それで飛び出し最愛の人を泣かせることが果たしてジュナの取り得る最良の方法なのか?
まあラストのオチへ導くためのプロットとなるのだから仕方ないか。