暗く、重く、だけれども格調高いアルバム・・・名作です
★★★★★
前作からガラッと作風を変え、コンセプチュアルな作品となった通算14作目。
MAIDENサウンドの最も特徴的なポイントの一つであるスピーディーな曲展開を極力抑え、かつファストナンバーも冒頭の一曲だけと、彼等にしてはかなり思い切った方向性をプレゼンしたアルバムになっている。大半の楽曲で、曲始まりの導入部として、スローなパートを入れているのも極めて異例だ。
作品の統一テーマとして「戦争」を取り上げているということもあろうが、全体のイメージとしては、これまでのアルバム中最も暗く、重く、陰鬱ささえ漂う作風だ。が、バンドとしてのアイデンティティーは全く揺らいではおらず、徹頭徹尾MAIDENサウンドを構築するという姿勢を貫いている。
彼等には「メタルモンスター」としてのアグレッシヴでヴァイオレントな部分と、スティーヴ・ハリスの書く歌詞にも現れているようなインテリジェントでアーティスティックな部分とが存在しており、それが絶妙のバランスでブレンドされ、唯一無比のスタイルを作り上げているわけだが、本作においては、後者の部分がより強く前面に押し出されているという印象で、MAIDEN史上最も深みのある、ある意味格調高いアルバムになっていると思う。
プログレっぽいというのも、確かにそれはそうかもしれないが、曲展開や構成の複雑さよりも、僕にはスペーシーな音の広がりや、70年代のブリティッシュ・ハードロックを彷彿とさせるヘヴィー・グルーヴの方が強く印象に残った。例えば、LED ZEPPELINの「Kashmir」や「AchillesLastStand」、RAINBOWの「Stargazer」や「GatesOfBabylon」といったような曲との類似性だ。
NWOBHMの〜という枕詞付けて語られることに、スティーヴをはじめメンバーたちはどういう感覚を抱いてきたのか・・・僕等が彼等に望むもの、それをさらに大きく超えていくものの創造を、IRON MAIDENは目指して、今後も活動を続けていくのだろう。
処女は処女のままで
★★★★★
これはアイアンメイデンの良さを最大解釈した集大成的アルバムです。
ブルースの歌声に覚える勇ましさも
トリプルギターのハモリに感じる哀愁も
それに合わせてオオオーーと合唱したくなるような高ぶりも
次第に盛り上がりを見せる、闇に光を照らすかのような壮大な曲展開も
なんでこんなにベースのアタック音が聴こえるんだろうというワクワク感も
今までのアイアンメイデンの良さ全てそのまま詰まっています。
ただ確かに無理しいな展開もあるのも事実。ライブでは乗りづらい曲群でした。
でもいいじゃないですか。ベテランなのにまだまだ可能性を広げようと挑戦しているんです。
その男気を表したこのアルバム、その偉大な音圧に圧倒されるのも悪くはありません。
らしさを失わずに深化を止めない例としても素晴らしい本作、おススメです。
耳が悪いのでしょうか?
★★★☆☆
ハリス師匠ですが、音質には随分と力を、御入れになったと聞きます。
レコーディング、ほやほや状態での師匠お一人での来日の際に日本側で準備したオーディオ機器にいたく不満を漏らし『こんな音質ではない!』っと御立腹されていたと言う、お話もあり、わたくし個人的にも、さぞかし高音質なALBUMと期待しておりましたが、残念な音質でした。
Voにベイリー師を迎えた時も、師匠の耳は悪いのかと疑ってしまった事を思い出してしまいました。
良いんだけど…
★★★★☆
音が安っぽくてダメ
話しによると発売前の試聴会で用意されたオーディオ機器が気に入らなくてハリス臍曲げたって関係者言ってたから、よっぽど自信あんだなぁって思って期待したけど結果はダメ丸出し
でも勘違いしないで欲しいのはあくまで音質の話し。作品としては立派な出来。
より長く、ややダークに
★★★★☆
アイアン・メイデンの2006年作
比較的シンプルな1曲目で始まるが、それ以降は6〜9分という大曲がほとんど。
楽曲的にもメロディにも、安心して楽しめるが新鮮味はないというのは前2作と同様。
サウンド的には、若干ソリッドな硬質感が強まったようにも感じる。
それと同時に、間奏におけるプログレ的なアプローチもより比重を増していて、
それが曲の長大化につながっているようだ。部分的にはツインギターで聴かせる
格好よいパートも多いのだが、それが曲の印象につながらないのが残念。
全体的にはより長く、そしてややダークになったという感想になってしまうのは、
72分の予定調和に退屈を感じてしまうからか。この雰囲気自体は好きなのだが。