本当に素晴らしい本
★★★★★
瑞々しい文章と、やわらかな感性が、心に沁みました。
ずっとずっと大切にしたい一冊です。
執着のないやわらかな文章
★★★★★
石田千は俳人で、エッセイスト。
あわただしい日常の中で見逃されがちな、片目をつぶって考えずにすましてしまうような瞬間やものごとを選び、じーっと見つめてさっと書く、その筆はひと筆描きみたいに執着がすくない。
無駄な言葉を極力はぶいて、でも質感を損なわず、しみじみと行間を読ませる。
「しろい虹」も、その気になれば小一時間で読める文字数。けれどちゃんと味わって読むとけっこう時間がかかる。
このひとの文章が好きで、何年か前から新刊が出るたび楽しみに読んでいるが、ここにきてますます無駄がなくなり、切れ味のいい俳句に近づいてきたような気がする。
絵画の達人が、さまざまな技法をきわめ、ついに水墨画にたどり着くような感じかしら。
言葉の虹をかける
★★★★★
語彙力と言葉の選び方に圧倒される。その上遊びもある。ある時はわびている時もある。
「カミ」「ハナ」「アメ」などといった主題に沿っているのか、沿っていないのか、あやふやなところが面白い。料理をしている話も多く、美味しそうな香りがする。こんな風に自由に美しい日本語に触れられる幸せを感じる。文字を追って、舐めるように読んだ。すっ、と読めると思ったが、ほぼ半日を費やした。まだ余韻にひたっている。
やわらかい雰囲気
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虹なのに白いという変わったタイトルに魅かれて手に取りましたが、内容は期待を裏切らないものでした。食べ物や風景が心地よくきれいな言葉で書かれているので、読みすすめていく内にこのタイトルにも納得しました。短編集のようなものなので、ひなたぼっこをしながらゆっくり読むのには丁度良い本だと思います。