統合失調症の人へのはたらきかけの動機付けが高まる
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統合失調症の様々な体験が、私たちとは全く異なる次元の話ではなく、連続線上にある体験であることが強調されています。感覚遮断実験、遭難体験などの事例を用いて、患者さんにもそれをわかってもらい、自分の体験を受け入れ、治療を受ける気になってもらう手がかりにします。とても興味深い考え方です。訳もわかりやすく、要所要所に、関連したこれこれのことを外国や日本の誰々が言っているという訳注が入っていて細やかな配慮が感じられます。ただし、事例編は、最初のものを除いて、非常に簡単にすまされているので、事例を減らしてもいいから、もっと詳しく書いてもらいたかったです。