明快な解説
★★★★★
渡辺竜王の最初の著作だけあって力が入った素晴らしい著作だと思いました。
題材は、四間飛車急戦で鷺宮を省略して後手を△43銀、△52金型に絞って3戦法を詳しく解説しています。
(すなわち ▲45歩戦法、▲46銀左戦法、棒銀戦法)
現時点での渡辺竜王の各局面に対する形成判断、大局観等をすなおに述べているのが実にわかりやすい。
いくつかをピックアップすると▲45歩戦法では、先手の金の位置が▲69か▲68かの違いあるいは、後手の△63金で△74歩がついているか否かでとか微妙な違いで形成が揺れ動く点。
▲46銀左戦法では、最新形の超急戦型(順位戦の森内VS藤井戦)も現時点での意見が詳しく述べられています。(この点は、青野さんの鷺宮定跡の方が指し手ではさらに詳しく述べられていましたが)
面白いのは、師匠(所司)の本をから見て振り飛車ワールドの指定局面対局に臨んだら本に書いてない好手を指されたので師匠に詰め寄ったら
うまくはぐらかされたとか 笑 こういう文章も織り込まれていて若さあふれる著作となっている。
なお棒銀戦法では、後手の△42金型だと先手の仕掛けが難しいのですが
先手が最善を尽くすと△42金型を作らせないことができると明快に解説されている。
是非ご一読を (とはいってもみんな読んで知っていると困るなあ 笑)