高橋洋子さんと言えば、「新世紀エヴァンゲリオン」の「残酷な天使のテーゼ」「魂のルフラン」と続きますが、正直その手に疎い私は、当時彼女の存在を知りませんでした。
きっかけは、７年位前にレンタル屋さんで見かけた１'stアルパム「ピチカート」、その中の「P.S.I miss you」は、当時私が好きだったセリーヌ・ディオンの「Power of love」を思わせる歌いっぷりで、セリーヌに匹敵する歌唱力に驚きました。そして、私をファンにさせたのが、このＣＤにあった「冷たい部屋の世界地図」。井上陽水の名曲を、美声で知られる彼の向こうを張って（イメージは違いますが）全く遜色の無い歌声です。

それまでの彼女の三枚のアルバムは、良かれ悪しかれＪ－ＰＯＰの流れに乗ったものでした。しかし、このアルバムは初めてそこから一線を画し、彼女の素晴らしいボーカルを前面に押し出したものと言えるでしょう。

ただその為か、選曲が非常に地味なので盛り上がりに欠け、物足りなさを感じるのも事実です。ラジカセやウォークマンではなく、しっかりした再生システムで、じっくりと聴いて下さい。お勧めは前述の５曲目と７曲目の「めぐり逢い」そして10曲目の「Snowscape」。