見落としがちな ピアノ連弾の世界
★★★★★
オーケストラのように、指揮者のもとでの大人数の演奏ではなく、かと言って自己主張のうかがえるソロでもない。ピアノ連弾という世界は、2人のコミュニケーションが音楽として表現されている。
このCDは、夫婦でもあるお二人が、1995年のNHKの趣味百科に出演されたときのもの。番組のビデオも発売されていたが、もしかしたら絶版なのかも。
とくにお勧めは、ドビュッシーの「小組曲」からの2曲。オーケストラにも編曲されているが、やはりオリジナルであるピアノ連弾という形がとても心地よい。一人で弾いているのではないかと思うほどひとつの音楽になっていながらも、音楽に深みが感じられる。
収録曲の全楽譜が載っているテキストが絶版になっているのは残念である。
子供のころにピアノを習っていた人は、どこかで楽譜を探して、親子や兄弟、友だちなどと一緒に、久しぶりにピアノの前に座ってみるのもいいなと思い始めることでしょう。