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最新手形法小切手法

価格: ¥3,780
カテゴリ: 単行本
ブランド: 中央経済社
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改訂版というより補正にとどまる ★★★☆☆
言わずと知れた、手形法における多数説を代表する体系書です。
ただ、実質的には、この本はすでに3訂版(1994)あたりで
ひとつの完成をみていると言うことができるのではないでしょうか。
判例もわずかしか増えていませんし、内容の進展もほとんどありません。
改訂というよりも補正の上で増刷がなされているという感じです。

本書に限らず、平成,特に21世紀に入ってから、手形の利用は減少し、
それにつれて、手形法学にも目立った動きが久しくないようです。
手形理論も長らく法理論の真髄として君臨していましたが、さすがに
実用性は失われて来ていると思います。法理解の試金石とはいえなく
なってきているでしょう。

本書は本書としてよいのですが、著者には別に新しく読みやすいテキストを
書き下ろしてほしいと思いますし、また、後進の先生による、
より新鮮かつ簡潔なテキストも期待されるところです。
さしあたりは、『手形法小切手法講義』がベターかと思います。
手形理論の奥深さを味わえる。 ★★★★☆
交付契約説+権利外観理論の立場から手形・小切手法を解説している。手形法・小切手法の条文は、実際には銀行取引と手形交換所による決済のため、実務との食い違いが生じている部分があるが、本書ではそこらへんも具体例を交えながら詳細に解説してくれている。

手形法の特徴として、六法の中でも最も整然とした理論体系を持つことが挙げられる。そこが魅力、或いは理解しやすい所以という人も多いが、理詰めで考えるのが苦手な人にはきついものがある。まあ、そういう人は元々法律の学習に向いてないのかもしれないが。で、本書でもかなり理論に踏み込んだ記述がされており、論点ごとに大体判例の紹介→学説の検討(これがまた丁寧)→私見という流れになっている。特に私見が判例と違う見解を採っている箇所については、本書の記述を咀嚼して全て理解しきるのはなかなかヘビーだ。割と余裕のある人向けかもしれない。

なお、四訂版からの新判例の追加は無い。今回の改訂は民法の現代語化や会社法の成立を受けてとの事であるが、その割には民法や商法の引用条文が直っていない箇所が非常に多く、校正の甘さが感じられる。特に「民法513条2項は、債務の履行に代えて為替手形を発行するのは、債務の要素を変更する契約であるとし、債務は更改に因り消滅するものと規定している。」なんて記述がそのまま残っているのはいくらなんでもまずいんじゃないだろうか。結局旧版との違いは「除権判決」が「除権決定」になった位しかないため、旧版を持っている人は購入する必要は無いだろう。