ツァラトゥストラはかく語りき
★★★★★
ボブ=サップの入場曲として有名な曲。彼の入場にはうるさいカラヤン版がお勧めである。
ブロムシュテットの演奏はそれとは対極的な脂身のないさらりとしたR=シュトラウスで、長年の愛聴盤である。
全体合奏がやかましい分、「後の世の人びとについて」や「舞踏の歌」の演奏がおざなりな演奏が多いが、この演奏は眼が覚めるほど美しく演奏されている。
カップリングのドン・ファンも爽快そのものである。 いぶし銀のようなドレステンシュターツカペレのサウンドとけれん味のないブロムシュテットの音楽づくりで醸成されたR=シュトラウスの素晴らしさを是非多くの方に堪能していただきたい。
そういえば、ある20歳前後(当時)のドレスデン出身のドイツ人に「ブロムシュテットを知っているか?」とたずねたら、手でメガネをつくる仕草をしてくれた。ドレスデン出身者にとって、やはり親しみ深い存在なのだろう。