入門としてお薦め
★★★★☆
この増補版で追加された要素についてのレビューです。
追加されたのは、「無料のクッキーの力」と「不信の輪」の2章、
プラスほとんどの章の末に5〜6pの著者が体験した例や考察が追記されている。
そのため、増補版は約100pほどボリュームが増えている。
増補版にかえて、のあとがきがないのが残念。
「無料のクッキーの力」の章は、社会規範と経済規範がぶつかるとどうしてうまくいかないのか、の
補講。「不信の輪」は、不安を感じると人はどういう動きをするかを、彼お得意の実験にて考察している。
ほとんどの章に追記された例・考察は、彼自身が体験した事をユーモラスに3〜4p語り、そこから得られた事1pぐらいで説明しているため、増補前の『予想どおりに不合理』は冗長な例が多すぎる、半分のページ数でもまとめられるだろ、と思った方には苦痛かもしれない。
なんで、2年前の本をいまさら増補するんだ?、と思ったが
11月末に『不合理だからすべてがうまくいく』を出版するから、ついでに補講して出しとくか
いう感じがしなくもない。
もし、前作『予想どおりに不合理』を持っていなければ非常にお薦めできる。
行動経済学のとっかかりとしてはこの本が一番最適だ。他の本は訳がアレだったり、
数式ばかりだったりと、ある程度行動経済学を知っている前提が必要だからだ。
だが、前作を持っているのだったら、あまりお薦めできない。
すでにアリエリー氏が前作で語っている枠を出ていないからだ。