いい意味でマッタリしている
★★★★☆
2004年に世界が恋したといわれる、FRANZ FERDINANDの2ndアルバム。
1stは最初から最後まで一気に聞き入ってしまった、私には大恋愛アルバム(爆)だったので、期待感は高かった。
最初に聞いたときは耳に残る曲が1〜4曲目までと前半集中だったけれど、部屋で丸々1枚かけっぱなしにして聞くと中盤〜後半も「いいんじゃない?」と思えた。
「聞く」という行為に熱中する点では1stに軍配があがるけれど、いい意味で「メリハリ」があるのか。
転調・変調は経験済みなので、そういう意味での新鮮さには欠けるが長く聞けそうなアルバムになっている。
こちらはThe Fallen , Do you want to のPVとインタビューが収録されているのでファンにはおすすめです。
頭ひとつ飛び出る理由
★★★★☆
デビュー・アルバムの記録的な売り上げという、夢のように順調な滑り出しを
果たしたFranz Ferdinand。周囲の注目が一気に彼らに集まる中で、約1年半と
いう比較的短いインターバルを経てリリースされた2ndアルバムは、小手先
ではない、正真正銘の彼らの実力を認めさせるに十二分の、本領が発揮された
文句無しの一級品.。今作には彼らのインタビュ--が見られるDVDや、
ボーナス・トラックも含めたお得な+アルファがついている。
序盤の“The Fallen”の象徴的なイントロ、“Do You Want To”に孕む
確信的なキャッチーさ、“Walk Away”ではもの憂げなメロディに
影を添えるベースが底辺でうごめくように鳴り、荒いリズムと欲情的な
ギター・リフに投げやりな歌が雑に絡む“Evil And A Heathen”。
Elliott Smithのデモ・テープを聴いている様な錯覚に陥る、
アコースティック・ギターとピアノに彩られた、
“Eleanor Put Your Boots On”。 ディスコ・サウンドを意識した
ファンキーな“Well That Was Easy”はまさに彼らの真骨頂であろう。
全13曲、スローなナンバーも交えつつ、体を動かさずにはいられない
ダンサブルなリズムと、扇情的、挑発的、意図的な狙いが見え見えな
メロディラインに、忙しげに掻き鳴らされるギター。しれっと太い音を
出し、人知れず曲の核を担うベース。art-rockなどと言う不可解な
形容は、見れば、聴けばわかる彼らの個性の前では全く意味をなさない。
あからさまな目立ちたがり屋が好きか嫌いか、早い話、あとは受け手の
嗜好次第である。
最初に成功すればするほど、次にかかるプレッシャーは相当であろう。
それを鑑みれば、彼らの世界は普遍性を持って、今後のロック・シーン
に不動に君臨する新たな席を、このYou Could Have It So Much Better
と引き換えに手にしたようだ。