16世紀、ヴェニスの貿易商アントーニオ(ジェレミー・アイアンズ)は友人バッサーニオ(ジョセフ・ファインズ)が大富豪ポーニャ(リン・コリンズ)に求婚するための資金を得るため、ユダヤ人の高利貸シャイロック(アル・パチーノ)から金を借りる。しかしシャイロックはその担保としてアントーニオの身体の肉1ポンドを要求した…。
シェークスピアの名作戯曲を『イル・ポスティーノ』などの名匠マイケル・ラドフォード監督が映画化。特にシャイロックのキャラクターにユダヤ人差別の悲劇を代弁させ、しかし慈悲を重んじるユダヤ教の教えを破った彼に罪を与えるという解釈は、そもそも喜劇として初演された劇の根幹が悲劇に他ならなかったことを訴える。アントーニオらヴェニス側の人物たちの偽善も逃さず、さらには指輪をめぐる女たちのしたたかさにもぞくっとさせるものがあった。名優ぞろいのキャスティングで、やはり注目すべきはアル・パチーノ。彼のシャイロックは完全に従来のイメージを打破する秀逸なものであった。(増當竜也)
舞台初心者の見解
★★★★☆
上記のお二方は、舞台上級者のレビューで正直引け目を感じましたが、初心者の意見も必要かと…
藤原竜也さんの3人の演じ分けはすばらしかったです。本当に彼は舞台の申し子だと思います。そして他の出演者の方々の表現力にも圧倒され、引き込まれていきました。
私は寺島しのぶさんの声の美しさに驚きました。西岡さんと市村さんはいうまでもありません。
この作品は喜劇だといわれていますがシャイロックの立場を考えるとよくわからなくなります。インタビューにもありましたがそれぞれの立場に立って舞台を見るとまた違った味わいがあって何度でも見ることができます。
ただひとつ、何故あんなにもツバを吐くシーンがあるのでしょうか?戯曲もちゃんと読み込んでいないので、時代背景とかあるんでしょうが、わかりません。
最高のシェイクスピア舞台!!
★★★★★
『ヴェニスの商人』
演出:グレゴリー・ドーラン(RSC)
出演:市村正親/藤原竜也、寺島しのぶ、京野ことみ、佐藤仁美、団時朗・西岡徳馬、他
という超豪華キャストでのシェイクスピア舞台です。
私は東京公演の2日目を見たのですが、本当に最高の舞台でした!市村さんの舞台はほかに鹿賀丈史さんとやられている『ペテン師と詐欺師』を見たことがあるのですが、『ペテン師〜』の時とは全くの別人で、本当に驚きました。
私的には西岡さんが素敵でした!オープニングで、女装した西岡さんがガウンに生着替えするのですが、とてもカッコ良かったです!
とにかく面白い舞台です!一度見て損は無いというより見ないと損だと思いますよ!!
念願叶ったり
★★★★★
舞台が始まる前から、ロビーでは道化師達が面白おかしい言動を繰り返していたり、とにかく始終厭きることなく楽しめた舞台作品をこうしてDVD化して下さったことを、心より感謝しています。
古典的な作りなのかな、と思いきや。今までとは一味も二味も違う、笑える藤原竜也を垣間見れるヴェニスの商人。
これは面白い。
市村さんも相変わらず素敵です。