迫力のある作品
★★★★★
「世界の終わりという名の雑貨店」の冒頭の言葉が持つ透明感がずっと印象に残っていて、「ツインズ」を読みました。読み始めると止まらなくなり、深夜まで熱中してしまいました。
この物語は、前回の「世界の終わりという名の雑貨店」に出てくる「僕」が主人公です。
「僕」は過去にかけがえのない存在である少女を失ったことで、喪失感を感じながら亡き少女への手紙を書き始めます。
そして、手紙を誰かに読んでもらいたくて、出版社に送ります。
その後、彼は原稿を読んだ編集者に内容を絶賛されたことがきっかけで上京し、小説家として華々しくデビューします。
ずっと死にたいという気持ちに支配されていた主人公は、小説がきっかけで少しずつ世界と繋がっていきます。
物語の途中で、主人公は教会のバザーで不思議な少女に出会います。
その少女は、亡くなったはずの少女の存在とどこか重なるところがあり、主人公は心を惹かれていきます。
すさまじい生き方の少女と、死に悩まされながらも、人を愛することについてもう一度考えていく主人公のあり方に衝撃を受けました。