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日本国憲法を考える (文春新書)

価格: ¥725
カテゴリ: 新書
ブランド: 文藝春秋
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「平和」と「憲法」 ★★★★☆
この本は日本国憲法を他国の憲法と比較するなどして、日本国憲法の問題点を分析した本です。

例えば日本では特に重要視される「憲法九条」のような平和主義条項は、他国の憲法にも普通に明記されており、特に珍しいものではないということが分かります。他にも日本のように憲法を何十年も改正していない国は珍しいため、色々な面で現実と乖離しているということや、占領期に作られたために、占領軍にかなり気を遣って作られた憲法だということもよく分かると思います。

この本は日本国憲法を考える上での基礎知識として参考になる本だと思います。
憲法の条文に沿った改憲論 ★★★☆☆
政治方面の改憲論はあまたありますが、憲法学者による、
条文に沿った改憲論は意外と少ないと思います。そういう意味では、
主義に関わらず、興味をくすぐられる一冊です。
とはいえ、怒られそうなのを覚悟で、次の諸点は指摘しておきます。

・後進国,小国を多数引き合いに出して、「日本国憲法は古い,遅れている」と
いうのはむしろ自虐的。各国の事情や特色というものが無視されています。
・現行憲法が神聖視されているといいますが、果たしてそうでしょうか。
大方の国民は憲法に無知ではあっても、神聖視はしていないと思います。
・天皇は君主だと力説していますが、呼称論はそれほど重要ではないでしょう。
・統治機構については、最高機関性など形式上のあげ足取りはいりません。
もっと具体的改革案を、なぜ改憲が必要かという方向で示すべきです。
・国民が憲法を尊重するのは当然であり明記する必要はないと思います。
そんなことを言い出せば刑法や民法など法のすべてに国民の遵守義務条項を
入れなければならなくなります。
・終盤に来て、「天皇の元首化」「国軍の新設」を“おどろおどろしい”として
切り捨てています。主張に切れ味がないと思います。
・とにかく、「現実とかけ離れている」を切り札にしていますが、
どこがどう乖離しているのか詰めが甘くて、抽象的です。
法律の改正ではなぜいけないのかが結局わかりません。

現在、憲法学からの改憲論はほとんどなりをひそめてしまった感じがあります。
これはこれで面白いので、西教授にはがんばってもらいたいものです。


日本国憲法に対する問題提起集 ★★★★★
タイトルが、日本国憲法を「考える」、になっているように、単純に日本国憲法を紹介した本ではなく、日本国憲法に対する疑問や批判を集めた本になっている。

取り扱っている項目がかなり多いため、一つ一つの考察は浅くなっている。九条、天皇など個別の問題を深く取り扱いたい人は、踏み台レベルの本だろう。

ただ、憲法の思想自体は一通り学び、憲法に対してどういう批判があるのだろうか、ということを大雑把に知りたい人にはオススメできる。
「敵に似た」改憲派の憲法論。 ★★★☆☆
9条幻想を打破した章など読めるものもあるが、サヨク批判に力を入れる余りイデオロギッシュな主張が目立つ。
例えば、利己主義批判の延長で「憲法の国民遵守義務の明記」を著者は訴えるが、利己主義と憲法典との因果関係が明確でないうえ、近代憲法の基本原則(制限規範性)を踏み外した論理になっている。
また、同様の論理?で「伝統に基づいた人権の再構築」も訴えているが、肝心の伝統の中身が著者の感覚論でしかないなど、説得力に欠ける主張も多い。

護憲派を嫌悪するあまり、「敵に似る」状況に改憲派が陥っているのがわかる一冊。
まちがっても入門者にはおすすめしない。
平易な入門書。 ★★★★★
 憲法学というものは特殊な学門である。まず日本以外の国ではあまり行なわれていない上にある
意味難解だ(フランス哲学や物理学よりも)。
 というのはまず憲法自体が読めたものではない。他の学門と違い論理の使用が極めて特殊
且つ先行研究の伝統を暫し重んじ党派性が論理となるが故。
 それに対し本書は平易に書かれており、データも充実している。更にレーヴェンシュタインやボグダノーアを
引用しつつ論じている。

 大石義雄博士の書物とともに是非読まれるべき書物である。