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鏡花百物語集―文豪怪談傑作選・特別篇 (ちくま文庫)

価格: ¥924
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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これぞ、読書の醍醐味。鏡花関連の貴重な資料集 ★★★★★
■ちくま文庫で毎年夏に刊行されている文豪怪談シリーズ。
■2009年の第一弾は、泉鏡花関連の百物語怪談会の珍しい資料集である。
■大正・昭和初期年代の古い雑誌の座談会やアンケートには、まだまだ発掘しきれていないほどの面白い大衆文学資料が眠っている。
■本書において東雅夫氏は、そういう貴重な文献資料を実に手際よくまとめており、注目に値する仕事をしている。一般にアンソロジーはどうしても小説一本槍になりがちだが、単行本化されていないエッセイや、座談会を集める方法は東氏の近年の功績であろう。
■とにかく何より、理屈抜きで文献資料が面白いことが重要だ。鏡花が参加している巻末2篇の座談会を、私は夢中で読みふけった。これぞ読書の醍醐味である。
「お化けの隊長」泉鏡花のもとに怪談の会 ★★★★★
 盛夏の風物詩に、かつては「お化け」怪談があった。今言うホラー小説であろうか。
 大正年間、名だたる文人墨客名優たちが集まって幾度もも催されたものに「百物語怪談会」がある。座の中心に「お化けの隊長」泉鏡花がいた。時に柳田國男や芥川龍之介らも加わる座談の模様は、新聞雑誌で詳報された。
 本書はそこから生まれた怪談・小説・随筆作品のアンソロジー「百物語」と銘打っている。「一つ蚊帳の中に眠られぬ一夜」「寝返りのままに明かした仇情」「鏡花の筆に成る浮舟物語の種」などが抜書きされている。一部を除いて今回が史上初復刻となる。
 かたや怪談、かたや恋愛談として、名優の口から物語られるノンフィクション、文豪の手で書かれたフィクションを熟読玩味することで、その面妖さ、玄妙さに魅惑されるということになろう。