歌舞伎なので仕方ないですけど、登場人物はおじさん、おじいさんばかりです。

一瞬一瞬に生きる芸を求める新九郎。
対して挑むのは、江戸時代から現代にまで伝わる究極の『型』を持った梨園の芸。
梨園の型という彫像に少しずつ姿を写し取られるごとに、新九郎の魂ともいえる芸が雁字搦めにされていきます。
梨園の陰謀に囚われ、まさに地獄です。
精神的に極限まで追いつめられて体までが利かなくなり・・・おそらくご想像通りです。新九郎、この巻で１回ぶっ壊れます（どんな風に壊れるかはご自分の目でお確かめください）

ぶっ壊れてしまったあと、彼がどう自分を取り戻すのか？
実際に造り上げた答えを見ることが出来るのは次の巻になってしまうのですが、この巻の後半にその下準備が描かれています。
あれらの行動が、どのような形で芸に昇華されるのか。
とても楽しみです。次巻が待ち遠しいです。