ここまでやればきっと勝てる
★★★★☆
著名なシステムトレーダーのパルドの著書。
システムトレードの研究を始めてみたい、またはシステムトレードのストラテジのアイデアが欲しいといった方には適さないと思う。自分自身で一通りのトレード戦略を確立した方が、その戦略の優位性を適切に評価するためのステップが詳細に語られている。
つまり、システムトレードのストラテジ構築ではなく、その先のパフォーマンス評価をいかに適切に行うか、という点に焦点が絞られている。この本の検証をクリアできたストラテジであれば、きっと相場に打ち勝つことができると思う。
トレードの一つの完成型
★★★★★
きっと過去データを検証しながらトレードをしている人には
とても有効な教科書になると思います。
システムトレードの入り口から出口まで、
あいまいになりがちな言葉の定義付けも丁寧に行いながら
一本の道しるべをあらわしています。
本書を基本としてトレードする事は、もちろん正しいし
これを幹として枝葉をつける事も良いし
もっと幹自体をシンプルにしても良いし
結局、自分が納得出来て、
結果を受け入れられるシステムを作り上げる事が重要なんですが。
そして迷った時は この教科書が特に役に立ちます。
原点に戻る
★★★★★
思い付いたことを一つずつ検証してみる。この本で言うたくさんのサンプル作り。
結果「いけるかな」と思えるものを最適化してみる。「いけそう」となるまでの一連の作業は正直時間がかかる。
しかしこの一連の作業こそが自分がシステムを作り上げる時の引き出しとなる。
何かに気づき何かを足してみたり何かを取り除いてみたりと…
「システムが少し機能していないのでは…」と弱気になった時にやはりこの本に手が伸びてしまう。
何度も読んでいるのに、読むたびに一つまた一つと気づかされることがある。
この本がすべてではないけれどヒントがたくさんある本です。
システム作りに答えはないから…
よくぞ翻訳された
★★★★★
相当にマニアックな本である。内容は高度でマニアックである上、原書が出版されたのは1992年である。よく翻訳してまで出版したものだと感心した。このような本が大量に売れるとも思えず、出版社の心意気が感じられる。
内容は高度である。何しろシステム売買に使うトレーディング・システムの検証方法について書かれた本であり、システムを構築する上での注意点や最適化で陥りやすい罠についても述べられている。幸いないことに著者が難しい内容を平易に解説しているので、誰が読んでもかなり理解できるし、翻訳もこなれていてわかりやすい。
ただ、本書の読者対象はトレードの経験が豊富な上、自分で売買システム作りをするだけの技量の持ち主に限られそうだ。それ以外の方が読んでも役には立つし、理解もできるだろうが(文章が平易で読みやすいので)、トレーディング・システムの最適化に的を絞った解説書なので、トレーディング・システムの開発をしている人以外には面白味がないかもしれない。自分では、かなり大量のプログラム作りをして、大量の検証作業をこなしてきたことから、本書の内容はよく理解できたし、面白かった。しかし、このような超マニアックな本が商業的にどれだけ売れるのか、一読者として興味がある。