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世界の歴史〈7〉大唐帝国 (河出文庫)

価格: ¥893
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
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五胡南北朝を以て唐の本質を説く筆法 ★★★★★
 中国史研究の泰斗・宮崎市定氏の手による中国中世を叙述した書。具体的には後漢末期から北宋建国の直前までの期間を叙述している。通読するうちに、この書のある面白さに気付いた。もとより、宮崎氏の軽やかに、そして、生き生きと歴史を描写する筆使いは、氏の他の著作「科挙」(中公新書)「雍正帝」(中公文庫)により承知していた。ここでいう面白さは、魏晋南北朝時代の叙述が非常に詳しいことである。すなわち、中華帝国に北方の民族が侵入し、従来の中華帝国の基盤が大きく揺さぶられた変革の時代に大きく紙幅を割いていることである。

 魏晋南北朝時代は、高校教科書でいうと2頁にも満たない記述しかない(参照「詳説世界史B」<山川出版社>、2007年、82-83頁)。一方で、本書では425頁中の50頁から310頁までを割いている。中国史には人並み以上の興味があるつもり(?)の私にとって、この時代のここまで詳しい叙述は、著者の筆使いと相俟って非常に新鮮かつ面白く感じられた。

 そしてあとがきには次のようにある。「従来の史家はともすれば唐を以て唐の説明をするの方法を用いようとするが、実はそれでは解答にならない。私は唐が成立する以前の五胡南北朝を以て唐の本質を説く筆法を用いたが、その結果は目標たる唐王朝自体を説くにははなはだ疎略なる結果に陥った。しかし大唐帝国が大唐帝国たる所以を説明するためには、このような筆法があってよいではないかと考える」と。

 ここに、この本のこの本たる所以が記されていたのである。
中国中世の実相 ★★★★★
 このシリーズでは独特の史観を持つ著者による巻がいくつかあるが、この第七巻も今まで聞き知ってきた中国史とは一味違うまとめ方をしている。漢の滅亡から五代十国までの歴史を「中世」としてくくって記述する、というのがそれで、先達の内藤湖南が提唱したものらしいが、そんな見方を基礎として全体を構成している。その点で第九巻「ヨーロッパ中世」と共通の歴史意識があり、ある意味「中国中世」というタイトルでも遜色がない。政治上の出来事に加えて経済的変化にも多くの部分を割き、他地域との比較対象に多く言及する、という点でも似通った部分がある。

 しかしながらもちろん内容には大きな違いがあって、強く印象付けられるのが官僚や貴族の図太さと、異民族の血を多く含んだ軍人の容赦のなさだ。中世ヨーロッパと比べてまだしも生産力のあった分、享楽におぼれる度合いや冷酷さに傾く度合いが大きくなり、たがが外れると歯止めが利かない。読んでいる方もうんざりするほどの貴族意識や骨肉の争いが、何度も反復する。儒教が必要とされたのがよくわかるほどの欲望の暴走を、縦横に描写している。

 だからこその漢詩、だからこその南画、だからこその儒教・仏教・道教の発展があったんだろう、と想像出来る内容。
漢詩の見事な日本語訳に感嘆 ★★★★★
題名からは唐の歴史概説かと思ってしまうが、前漢から書き起さており、中国社会の動きが簡潔に理解できるのが良い。盛り込まれた様々な挿話も面白いが、なによりも漢詩の訳文が素晴らしく、手馴れた言い回しで完璧な日本の詩文になっている。
うなる!宮崎節 ★★★★★
 è'-è€...の上手さにはまったく脱帽です。本書のå†...容は、後漢末から、宋の初めまで、実にï¼-ï¼"0å¹'、それã‚'ï¼"00ページちょっとで通観ã-てã-まおうというのですから、è'-è€...の個性ã‚'出ã-つつ、ã-かも偏らないå†...容とするã"とは、至難の業です。ã-かもその中には、国名ã‚'把握するだã'でも何時であるäº"胡十å...­å›½æ™‚代、æ­'史の好きな人なら興å'³å¤§ã§ã‚ろう、三国å¿-のä¸-界やç...¬å¸ã€å"ã®å¤ªå®-、玄å®-の時代なども在り、それã‚'まとめる大変さは察ã-て余りあるとã"ろなのです。ã-かã-、è'-è€...はやってのã'ます。その構成はとても分かりやすく、錯綜する出来事や人物が流れに沿ってまとめられています。ただあったã"とã‚'だらだらと記述ã-ていくのではなく、ã"の時代ã‚'特å¾'付ã'るものは何かã‚'見通ã-、その時代相ã‚'表ã-ているものã!‚'鳥瞰ã-つつ時代時代の出来事ã‚'é...ã-ていく、ã"れは中国史のå...¨ä½"に深く通じているからã"そ出来るã"とでã-ょう。ã-かも古代ローマ帝国にæ¯"ã-た漢帝国都市国家説や東西交æ˜"ã‚'通じての経済の変動と、それに対ã-て中国社会が如何に密接に同調ã-て動いているかなどのè«-は、ä»-では接するã"とが無く、私の中のã"の時代に対する固定概念ã‚'見事に覆ã-てもらいまã-た。

 名è'-はやはりå¹'ã‚'å-りませã‚"。è'-è€...のæ­'史に対する姿勢はとても真æ'¯ã§ã‚りながら、専é-€ç"¨èªžã®ä¸­ã«ã²ãã"もって、人é-"の歩みとã-てのæ­'史ã‚'忘れ去ったような硬ç›'åŒ-ã-た学問とã-てだã'のæ­'史学ではありませã‚"。多å°'中華æ-‡æ˜Žã«å¯¾ã-てç"˜ã„部分が見られますが、平æ˜"なæ-‡ç« ã§è‡ªåˆ†ã®æ„æ€ã‚'はっきりと述べていã"うという姿勢がある限りにおいては、そã‚"なã"と!は問題にならないばかりでなく、読è€...にとっては格好の「考える糧」になるものであろうと思います。

分かりやすい通史 ★★★★★
題名は「大å"å¸å›½ã€ã§ã™ãŒã€å®Ÿéš›ã¯ä¸‰å›½æ™‚代、魏晋å-åŒ-朝時代の説明に前半が、å"æ™‚代の話題が後半に費やされています。その分å"æ™‚代の記述がå°'なくなってã-まっていますが、æ-¥æœ¬ã§ã¯å°'なすぎる魏晋å-åŒ-朝期の手軽な通史にもなっています。

å"ã¨ã„う国が成立する過程、特にそのè²'æ-åˆ¶ã¨å›½éš›æ€§ãŒã€ä¸‰å›½æ™‚代に台頭ã-始めた知識人階ç'šï¼ˆå­"明も属する)が魏晋期にè²'æ-åŒ-するã"と、å-åŒ-朝期に遊牧æ°'æ-ãŒä¸­å›½æœ¬åœŸã«é€²å‡ºã-、その影響が強いã"とが指æ'˜ã•ã‚Œã¦ã„ます。特に隋やå"ã®çŽ‹æœã®ä¸€æ-ãŒç'"粋な漢æ°'æ-ã§ã¯ãªãã€æ¼¢æ°'æ-åŒ-ã-た遊牧æ°'æ-ã‚'その母ä½"に持つらã-いã"となどが話題になっています。

å®®å'Žå¸‚定氏は、æ-¥æœ¬ã®ä¸­å›½å­¦ã®æ¨©å¨ã§ã™ãŒã€ã²ã˜ã‚‡ã†ã«èª­ã¿ã‚„すい中国のæ­'史にé-¢ã™ã‚‹è'-作ã‚'残されています。

なお本書ã!¯ã€ä¸­å...¬æ-‡åº«ã‹ã‚‰å‡ºã¦ã„る「大å"å¸å›½â€•ä¸­å›½ã®ä¸­ä¸-」とほぼ(というかå...¨ãï¼‰åŒã˜å†...容のものです。