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装飾する魂―日本の文様芸術

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平凡社
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装飾・文様・デザインを創った文化、古今東西を旅するように読める本! ★★★★★
 たいへん面白かったです。著者の鶴岡真弓さんは、ケルトから日本まで「装飾デザインと文明」や「文様の世界史」などの研究の著作をたくさん著わしていていろいろ読んできました。最近は『阿修羅のジュエリー』(理論社)は、この本と同じように「装飾」から仏像を読みとくというもので、本当に目からウロコが落ちました!
 中でも『装飾する魂』は、旅するように、本もののデザインや建築や美術の「細部」までどんどん入っていくような感覚で、最も楽しく、最も深く、装飾や文様やデザインの世界について、東西の比較についても、学べ楽しめる本ですね。

 なお女優の山口智子さんも鶴岡先生の『装飾する魂』の熱心な愛読者であるということで、そういえばBSフジのスペシャル番組で山口智子さんと鶴岡教授が旅をする番組『装飾は語る 美の巡礼』があると知り、なるほどこの本が出発点にあるのか!と、妙に納得してしまいました。
 とにかく「装飾」というどんな民族にもある美を創って伝えてきた人たちの熱い気持ち、文様の持つ象徴的意味の数々、そしてレオナルドなど画家とデザイン・文様の関係まで、手に取るようによくわかり、ほんとうにお得で、心からお薦めします。















装飾は人間の生死を飾ってきた ★★★★★
 「装飾」は、何かの余白を埋める二次的なものではなく、人間の「生・死・再生」を光や色で「しるす」、人間の魂の行為なのだ。

 この『装飾する魂』というこの名作が、メッセージしていることが、心からわかりました。

 人間は「誕生」したとき、「死のとき」に、その人を取り囲み、いつくしむ親兄弟や仲間たちによって、最高に飾られて、生へ死へと船出するのですね。

 なるほどアカデミー賞を受賞した日本映画「送りびと」でもそうですが、とくに、人間の厳粛な死は、死化粧によって、厳かな花々や光の装飾によって、飾れる。精一杯飾り、その人の生命を讃える。

 この本は、たんに日本や世界の「文様」や装飾的デザインを紹介するだけでなく、そうした深い、本質的なメッセージを放っています。鶴岡氏の素晴らしい『阿修羅のジュエリー』という新刊も、『装飾する魂』が仏像にこめられていることを、語っているわけですね。
 深い思慮と、美への探究の本。名作だと思います。
 
人間の深い「装飾する魂」が、あぶりだされています ★★★★★
日本の文様と、世界の文様を比較しながら、「文様」という魂のこめられた美術・デザインが、どのように、東西を往還し、それぞれに地域で愛され、表現を重ねて今日に至ったのか、いくつものテーマをひとつひとつ丁寧に語り、読み解いていて、読み進めると、いつしか、人間にそなわっている、けなげな「装飾する魂」が、あぶりだされてきます。

単なる文様集とはちがって、「装飾」という、これまでは主題になることが難しかった問題を、歴史・美学・象徴などをめぐって、身近な実感から、聖なる高みまで、縦横無尽に語りつくす。さすが鶴岡さんの装飾論の代表作のひとつだと思いました。

身近な着物や家具やインテリアのヒントにも、おおいに役にたつと思います。
日本の文様・デザインの歴史 −アイルランド・ケルトから縄文まで ★★★★★
 アイルランドを中心として今日も息づいているケルト文化・芸術研究の第一人者、鶴岡真弓氏が、日本の美を支える「文様」を、世界の文様と比較しつつ、たくさんの図版とともに、装飾文化、シンボリズム、神話伝説にわたって、考察していた本です。

 ふつう「文様」の本というと、ただ図ばかりを紹介したものが多いですが、本書はそうではなく、「文様」という表現が、人間の根源的な、自然観や宇宙観や死生観を、映し出した、フィロソフィーを経た深い形象のエッセンスであるということが、じわりと伝わってきます。

 ニーチェや、三島由紀夫の、表層論や装飾論をわかりやすく説くイントロダクション、そして各章では、むしろ軽快なエッセイ風のいざないで、文様ワールドへと読者を導いていきます。

 桜やゼブラの写真でおなじみの、内藤さん撮りおろしの口絵写真の数々も最高。「文様」とは、天の「文」が地上に舞い降りて、人「文」になり、人間の深いデザインをつくりだしていった歴史と文化が、しみじみと、わかります。

 一昨年、重版もでて、ロングセラーとは、こうした本をいうのだと思います。日本文化の国際的な位置もあぶりだされて、デザインの現場でも、旅携えても、すてきな本で、絶対お薦めです。
日本の「文様の美」と世界の文様を横断する ★★★★★
  ケルト文化芸術の第一人者にして、装飾デザイン史の専門家である鶴岡真弓先生による、「文様」をめぐって、装飾デザインの文化を、東西にわたって読み解く本で、初版と近年の重版の両方を買い求め、ぼろぼろになるまで読んで眺めています。

   口絵のたくさんのカラー写真もとても美しく、能装束の「桜花」、縄文土器の「渦」、江戸時代の蒔絵の「唐草」、建築の「龍」、鍋島の大皿の「青海波」まで、まさに文様のワールドを行く醍醐味が味わえます。またアイルランドからロココからアールヌーヴォーまで、さまざまなデザインのスタイルもたくさん紹介され、比較されています。
  
  つまり日本の文様は、建築から工芸、服飾までに、豊かに飾られていますが、その文様パターンの形の問題や、単純なシンボリズムの紹介にとどまるのではなく、「文様」という切りつめられた意匠・デザインに、人間がどのような自然観や死生観や宇宙観を込めたのかを、つくりての「経験」「実感」に沿って読み解いていく手法が、すばらしいのです。

  人間が自分とは異なる文化を、魅力としてとらえてきた人間の美の歴史。それを「文様」をキー、鍵として読み解くとき、「文様」はたんなる飾りやしるしではなく、やはり人間の哲学や祈りを簡潔に表現してきた、賢い最高の美の術なのだということが、わかってきます。

 ロングセラーの価値は無限、アイデアが得られてお得感がいっぱい。実際のデザインにたずさわるひとにも、装飾を文化論としてよみたいひとにも、お薦めの、類書のない、すばらしい本です。