遂にファンの想いに正面から堪えた作品
★★★★☆
ジョセフの最近の活動は、有名曲のカヴァーをピアノのみをバックにして歌ったシリーズもの、そして、他人の楽曲を産業ロックっぽいハードサウンドで表現した「ヴァーティゴ」なるプロジェクト、に大きく2分されてきていた。で、それはどちらもファンが期待する「本格的なロックサウンドの中でAOR的な爽快感を醸し出すジョセフならでは、のサウンド」とは似て非なるものだった。
しかし、遂に本作ではほぼすべての楽曲をジョセフが提供し、TOTOのメンバー等を中心にした仲間たちと手作りで製作した本格的AORアルバム、それも毅然とソロ名義での発表だ。ジョセフの気合の入り方が伝わってくる。
ということで、アルバムの製作意義としては満点。しかし、厳しい事を言うと、楽曲自体に傑出したものが見いだせなかったのと、ジョセフのセルフプロデュースに、悪い意味での「職人気質」が出すぎた(平たく言えば、演奏に記名性も特色もなく、ただお仕事的なメリハリのない音に聞こえてしまった)点で、引き込まれるような魅力、何度も聴き返したくなる魔力を感じきれなかった。シビアに採点すると星は3つか。
これが今のジョセフのやりたい音楽なのだとしたら、ファンとして受け入れてあげるべきだが、「いやいや、ジョセフの実力はこんなもんではない!」と思いたい気持ちもある。その意味で、今後の更なる期待を込めて、星は4つ献上。
ジョセフに期待すること
★★★★☆
確かに佳曲はある。しかもジョセフ自身の作曲によるオリジナルアルバムとくれば、高評価と行きたくなるところ。もちろん出来は悪くない。
しかし毎回ジョセフのアルバムを買う度に満たされない感じがあるのだ。今回もそうだった。それは彼のファンだからこそジョセフに期待する世界観。それはあのTOTOのセブンス・ワンのPAMELAやSTOP LOVING YOUで聞かせてくれた、緊張感のあるビートの中に溢れるロマンチックな世界観である。
今作は力作であろうとは思う。が、あまりにも正統派な曲ばかりなのだ。前の2曲を超える楽曲は残念ながら無かった。
きっと次作こそ、あの世界観をさらに深めたニューアルバムを出してくれることを期待して今回は星は4つです。
ジョセフが作った、TOTOの新アルバム?
★★★★★
今年解散したTOTOの3代目ボーカル、ジョセフ・ウィリアムスのソロ名義ではありますが、スティーヴ・ルカサー、デヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ポーカロに初代ボーカルのボビー・キンボールとTOTOの初期メンバーを総動員したこのアルバム、ジョセフがプロデュースしたTOTOのアルバムと言ってよい程、TOTOテイストにあふれています。
ロックからバラードまでバランスよく構成され、歌声も全く衰えた感じはなく、パンチ力と高音の抜けのよさは健在です。