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お言葉ですが… (文春文庫)

価格: ¥570
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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読み手を選び、言語感覚を問う ★★★★☆
ふだん見過ごしにされがちな日本語表現や語法について、実に厳しい
指摘が並ぶ。失うものは何もない、とばかりの筆致である。主張の
正当性を判断する立場には到底立てないことを前提とすると著者に
不本意ながら屈服させられるかというと、そうでもない。文体は比較的
軽やかであり(さすがは週刊誌で長期間続いただけある)、楽しく読める。
本にするにあたり、週刊誌読者からの意見へのフィードバックを載せて
いるのも興味ろみ(おもしろみ)を増す要素になっている。

競うことでないとはいえ、著者の指摘に頷ける回数は、読み手の言語
感覚をある程度表すものではないか。妥協しないよ、というその姿勢に
辟易する読み手もいるかもしれない。その意味では読み手を選ぶ本
ではある。
言葉に気をつけなさい。 ★★★☆☆
~この「お言葉ですが」シリーズは、言葉の誤った使用を指摘、指弾する内容ですが、慇懃無礼とも言える論調で書かれています。著者はご高齢なので仕方がないかもしれませんが、「戦前は…」とか「明治には…」などといった調子で、その言葉の歴史や出自にこだわりすぎ、言葉は変化するものであり絶対的な定義など持ち得ないことをお忘れです。確かに「なるほど~~」と膝を叩くような記述は多くあり、それならば、他人の誤用をあげつらってひとりほくそ笑むような意地悪いことはせずに、辞書として出版されたらいかがでしょうか?そうでないと、せっかくの博識が卑小で自慰的なものに感じられて惜しい気がします。~
ぽんと膝をたたきたくなる一冊 ★★★★☆
何気なく使っている言葉にこんな落とし穴があったのかと、つい頷いてしまう。新聞や、アナウンサー、はたまたことばの専門家でさえ、こんな陳腐な(この本を読むまでは、ちっとも陳腐だとは思わなかったが)間違えを犯していたのかと、皮肉っぽく笑ってしまう。ということは、自分はどんな恐ろしい間違えを犯しているのだろうと、つい言葉遣いを反省させられる。中国文学の大家が、言葉に対するこだわりを持って辛辣な、お言葉を浴びせかけてくる。