興味はそそるが……
★★★☆☆
東大法学部卒業で元外交官という著者による奇抜なストーリー。
フィリピンのミンダナオ島の地下金庫に退蔵されている莫大な量の金塊、オバマ大統領が天皇陛下に深々と頭を下げた理由の解釈など、そこそこ面白く印象に残る記述もあるのですが、第1章から4章まで中身にまとまりがないのが残念です。僕は何度も「要するに何が言いたいの」とつぶやいてしまいました。
よくあるトンデモ本の類だと思わなかったのは、著者の立派な経歴が頭の中にインプットされていたからかもしれません。何やら不思議な本でした。ほかの著作も読まなければ、著者を評価することは難しいですね。
第四章は読んで欲しい
★★★★☆
近頃は草食系などと言われるようになり、海外から舐められていると言われる日本人。
著者は、4章で日本人は多様性があるからこそ良いと書いている。
また、あとがきに出ている飯島氏の著者のそばにいるからこそのマーケットに関する事象と世界の潮目に関する洞察が素晴らしい。
4章と後書きの爽快さが、前半のモヤモヤ感をどうでも良いものと感じさせてくれます。
日華の金、に留まらない考察に脱帽
★★★★★
タイトルに書かれた日華の金塊は本書の一部に過ぎない。著者の宗教観から経済観に及ぶ独自の考察が、外交という著者のキャリアと相まって、多層な構成を作り上げている。常識に捉われずに本書を読むと「米国がディフォルトを狙っている」という主張にも頷ける。
金塊のことはわからないが「第4章日本が最後に選ばれる日」は一読を!
★★★★☆
「第1章デフォルトドミノ始まる」〜「第3章金塊の絆」までは他のレビュアーの方々と重複するので省略します。
「第4章日本が最後に選ばれる日」は私のもっているイメージに近いと感じました。
本書第4章からキーワードを引用します。
−−−−−−−−−−−ここから引用
●ニュータイプの議論
「・・類まれなる気概と能力を持ってマネーをかき集め、一躍のし上がって行く者たちこそがよしとされてきた。そしていわば「余りガネ」を施しとして貧しい者、飢えている者たちに対して与えるという行為が「フィランソロピー」とされ、これまた良しとされてきたのである。しかし果たしてそれでいいのか。」
●「超越的秩序の宗教」から「現世的秩序の宗教」へ
「「この国はどうあるべきか」を戦略的に考えていく発想が今を生きる全ての日本人に必要なことは繰り返すまでもない。
・・・なぜなら彼ら自身(米欧勢)がこれまで積み上げてきた金融資本主義の歴史の延長線上にあって、明らかなモデル変更が今、始まっているからだ。そしてそこでのキーワードが「他者」に対する尊重なのであって、これを思うとき、実は燦然と輝き始めるのが日本勢、そして東アジア勢なのである。」
−−−−−−−−−ここまで引用
日本はもちろん世界と協調していく必要があるのだが、他国と同じ方法で同じ方向を目指す必要はないということだ。
日本に最も適した社会システム、より多くの国民が望む社会システムを築きあげる気概と覚悟が要ると考えます。
世界の辺境であった歴史によって築かれた文化を類い希な国民の財産ととらえていかすことだ。
それこそ今後ますます一体化するグローバル世界のあるべき姿になる可能性が高い。
小沢さんと鳩山さんが『雨ニモマケズ風ニモマケズ・・・』『友愛』の実現を目指してきた。
これこそこれから先の世界のあるべき姿として国の単位でも、グローバルにもめざすべきものであろう。
その実現に最も近い位置にあるのが日本であると言えまいか。
そして私たち多くの国民の民意であると言っていいのではないか。
国民の均質な知的レベルとITによる情報の偏在の解放が相まって私たちは新しい国の形を作り出すことができると信じます。
長い歴史をつないできた先達によって”今を享受”している私たちは、これを次の世代によい形でつなぐ義務があります。
既得権益にまみれた”自分さえよければ”、”今さえよければ”ではない新しい世界構築への挑戦を私たちは民意として選ばなければならない。
志あるジャーナリスト、志ある政治家、志ある官僚の皆さん・・・そして多くの国民が力を合わせて・・・。
※あわせて「なぜ日本人は落合監督がなぜきらいか?」と「ステルス・ウォー」の書評もお読み下さい!
【衝撃の話題作】元外交官が著者であり期待して購読したが・・・
★☆☆☆☆
タイトルに興味があり、かつ、著者の経歴と売れ筋商品との情報から購読してみました。
一言でいうと、インターネットでも閲覧できる未確認情報を「著者独自の切り口」でカット&ペストし編集しただけの本という印象でした。この本ならではのトピックスは、断定調で書かれているものの、ほとんどが根拠のないものであり、さらに文章力も高くないので、ストレスがたまります。これが日本の外交官のレベルとは思いたくないですが、ある意味衝撃でした・本当に大丈夫なのでしょうか。できれば、返品したい書籍です(涙)。