中西さんのこれまでのカバーアルバムをすべて持ち、ライヴも４回ほど行きましたが、今回は今までで最高のものと言えますね。

よく調整され今までよりも若々しく、丁寧な歌声と、シンプルだけど明らかにレベルアップした編曲。
そして何よりは歌に対する愛情と原曲へのリスペクト。　しろうとの私でもわかりますよ、中西さん。

失礼ながらやや地味だけど、誠実に自分の道に精進していく姿勢。
その思いが歌声に溢れています。

最近のやや粗製乱造気味のカバーアルバムへの警鐘になっています。これがスタンダードなのですね。


私は中西さんほどの誠意をもって、自分の仕事に取り組んでいるだろうか。
その反省をしながら、今度の連休は夜の高速を飛ばそう、もちろんスタンダード４を聴きながら。

通勤途中はいつもFMラジオを聞いているが、或る日選局していたら
「どんなときも。」のメロディーが流れてきた。うわ苦手な槇原じゃん
と局を変えようとしたが、どうも様子が違う。声が爽やかで歯切れが
良く、シャウトもバラードも実に清々しいのだ（槇原ファンの方ゴメン）。

全国ネット番組で歌手がゲスト出演しているが、司会者に『中西さん』
と呼ばれる男性には全く心当たりがない。歌と反して合間にお喋りする
中西さん自身はオヤジ丸出しで、その温度差につい笑ってしまった。
曲が「あなたに逢いたくて」に替わったが、こちらも惚れぼれする唄いっ
ぷりでJazzじゃないが歌心が伝わってくる。『こりゃ誰なんだ』と頭が
？のまま車を走らせ続け、会社に着いたところで早速検索してみた。

ところが、検索してもヒットしなくて、圭三・俊博ときてようやく保志に
辿り着いた。いろいろ試聴してみたところ「最後の雨」は記憶にあった。
CDの曲名を眺め映像で確認して驚いたが、若かりし頃カラオケで唄い
込んだ曲ばかりではないか！こういったカバー・アルバムのツボは選曲
のセンスに負うところが大きいが、見事にど真ん中のストレートである。

最大のポイントはキーが殆ど同じで、元歌が女性の曲でも難なく唄い
こなせるところ（無論旨い下手は別で、車内で唄うのが賢明であろう）。
４枚目となる本アルバムも、「恋の予感」「シルエット・ロマンス」等々
殆どがかつての持ち歌で申し分のない内容だ。バックミュージシャンの
レベルも高く、静かに（笑）聴いても非の打ちどころのないデキである。
『朝からなんで声が枯れてるの？』と聴かれるが、答えられずにいる。