マットは遠藤さん。
★★★★★
届いて開いて、びっくり。嬉しかった。ヘヴン2も収録されていたこと。(一冊でストーリーが追える)
なおかつ、文庫本タイプには遠藤さんの書き下ろしが入っていて、
番外編で久しぶりにルークの話が読めるのも、幸福感倍増。
しかし、本筋は厳粛だ。
ヘヴンで「変わらない遠藤節」を満喫していた甘さを、
2は、容易に粉砕する。
大きな賞の候補に挙がったことも。
過去に描いていた、どこか厳しいけどラストは微かな甘い余韻の残る数々の話との違いも。
何もかもを振り切って……読み進むのが、やはり辛いのに。
空を仰ぐ。美しさで涙することに、気づける。
同時発売の他社本も読み解くと、面白さ、というかギャップも楽しめますか。
一番の和みは、遠藤さんの描く笑顔の推移かなあ。
人間描写の深さは比べ物にならない。
★★★★★
凄い感動した。
気合入れてなかったら落涙していたとこでしたよ。
アンチユートピアSF。
しかしこれもSFというよりは、もっと深い家族愛の物語。
遠藤先生の真骨頂。
核戦争後の世界、少年型ロボット、元軍人で正義感の強いのマット(女性)が設定。
ストーリーは一大大河。あと、暗いけど救いのあるエンド。
2巻は1巻に先立つ話。このあたりの組み立ては狙ったのかな。
あわててもう一回1巻を読み直した。
遠藤淑子先生、本当に油断ならない。
ヘブン2のその後の物語
★★★★★
戦争で文明が著しく後退した世界。マットは病気の姉と祖母に仕送りをする為職を探していた。そこでロボットのルークに出会う。ひょんなことでルークの主人になったマットはルークと仕事をしてくうちに彼の秘密を知ることになる。
マットは女ですが男よりかっこいいひとです。決して他人を見捨てず救おうとします。人は人を殺さない。その命令がルークを変えていきます。
ヘブン2を読めばマット・デイリーの祖先、ルークの悲しい誕生が分かります。この巻はストーリーがまったく違いますがこちらもあわせて読むことを強くおすすめします!
好きな本3冊選べと言われたら絶対入れる作品
★★★★★
遠藤ワールドの中でも取り分け逸品のひとつです。勿論、2と併せて読まれることをお勧めします。この作品が連載中に海外出張に飛ばされた私は漫画にウトイ友人に無理をお願いして掲載雑誌を送ってもらったほどです。独特な台詞回しやストーリー展開、罪を憎んで人を憎まずといった、どこか心にズシッと来るこの作品は、自分が負けそうになったときに、もう一度頑張ろうと思わせてくれるものです。TVが誰かを憎むことばかりを報道する殺伐とした昨今の情勢だからこそ読んで欲しい作品です。
遠藤淑子先生、最高!!
★★★★★
『ヘヴン』に登場したロボット「ルーク」が誕生するまでのお話。ジョナサンとデイビーの出会いと別れ、そしてルークが誕生する瞬間、読んだ人に素晴らしい感動を与えてくれることでしょう。遠藤先生の作品の中で初めて一巻分が一つの話となった最長編作品です。その構成のすばらしさも長い間短編ばかり読んできたわたしを虜にしました。