弦楽四重奏曲第１１番「セリオーソ」はベートーヴェンの中期の弦楽四重奏曲の最後の作品です。このＣＤを聴いていると第１２番になって後期弦楽四重奏曲に突入したことが色鮮やかにはっきりとわかります。第１２番はミサ・ソレムニス、交響曲第９番と平行して作曲されているだけに、非常に音楽的に充実した内容です。そのベートーヴェンの作風の変化が手に取るようにわかるのは、弦楽四重奏曲の作曲空白期間が長かっただけでなく、スメタナ四重奏団の充実した渋い演奏のためでもあるでしょう。