新しい行政形態の誕生か?
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「自治体を民間が運営」・・・そんなことができるのか?と半信半疑で本書を手にとってみました。
そして読んでみるとこれが本当で市のほぼ全ての業務を民間委託、事実上民間が「運営」しているようです。タイトルに「衝撃」とあるように驚きの連続です。
ただし、一つ注意があります。
「自治体を民間が運営する」というフレーズから、民間会社が住民から手数料をとって行政サービスを提供するのかと思ったのですが違いました。
あくまで市民の代表である市長と議会、そしてその信託を受けたシティ・マネージャーという公務員が民間会社に警察と消防を除いたほぼ全ての業務を委託するという形式です。
税金も徴収しますし、郡や他の市の行政の力も借りています。完全に民間が運営しているというわけでなく、あくまで官による監視下に業務委託をし、民間の経営努力を最大限活用する経営手法です(その意味でPFIの延長に近いです)。
サンディ・スプリングスの成功はアメリカ国内でも注目を集め、現在この経営モデルを導入する市が増えているようです。
日本でも日本の風土に適した民間の活用法を模索し始めました。黒字でより質の高い地方行政サービスを日本でも実現できるのか、これからの動向が気になるところです。