豊麗な演奏
★★★★★
ムターのワイセンベルク(ピアノ)との二重奏。この盤は、ムターが20歳の時の録音です。
このCDでのムターの演奏は、より暖色系で豊麗なもの響きを聴かせてくれます。
カラヤンに見出された、この「神童」は、今現在48歳となり、一流のバイオリニストとして、モーツアルト・バイオリン協奏曲を弾き振りするほど、成長しています。(ムターは、昨年2009年に、このブラームス・バイオリンソナタ全集を27年振りに再録しています)
歌曲として以前に書いていた旋律をベースにしている「雨の歌」と呼ばれ、抒情性のある第一番。
スイスの避暑地で書かれた明るく、闊達な曲調の第二番。
陰影を持ちながら、劇的な展開と寂しさをあわせ持つ第三番。
このCDに収められた三曲のバイオリンソナタは、高い音楽性&歌心を兼ね揃えています。心に沁み入る演奏を是非聴いて頂ければと思います。