怪しさがたくさんある
★☆☆☆☆
この本が出たのは2008年6月で、武田邦彦著「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」が出て1年以上たってから。
地球温暖化に関しては懐疑的な人が増えてきている中、この本はそれらを全く無視して出版したようだ。
タイトルの「地球温暖化のしくみ」この事については十分科学的でわかりやすく説明されていると思うが、地球温暖化が叫ばれる以前からある砂漠化や干ばつなども取り上げられて温暖化が原因のようにしているし、
日本のエセエコ番組などで取り上げられてきた北極のシロクマが可哀想のような、ただ煽り立たせるような事にも触れている。私が調べたところ、北極の氷は2007年急激に減ったが、2008年11月には復活している。つまり、温暖化は関係ないのだ。
すべてを鵜呑みにしてはいけないと思う。
他にも、突っ込み所が満載なのだが、それは読者の楽しみにするとよいだろう。
何が言いたいのかというと、この本は、関係のない事象をなんでもかんでも地球温暖化のせいにして、CO2排出を減らしましょう、エコに積極的に参加しましょうというトンデモ本なのである。
批判的に読みましょう。
他の本も読んでみるべき
★★★☆☆
例えば日本の取り組みについて、産業部門で進んだと書かれているが、産業部門で進まなかったから目標達成どころか増えてしまった。と、考える意見もあり平等に紹介すべきだ。
具体的には、日本の二酸化炭素総排出量の半分の約7億トンは、わずか166の事業所(巨大発電所、巨大製鉄所、巨大工場)から排出されているという。
ちなみに、直接排出量では、家庭部門(自家用車、その他を合わせて)は、10.8%であるという統計もある。
信頼できて分かりやすい
★★★★★
地球が確かに温暖化していることを、多くの科学者が認めた信頼できるデータに基づいて、イラストを交えて解説してくれる。観測事実、その原因、影響、将来予測、日本への影響などが簡潔明瞭に書かれていて、温暖化の状況が把握しやすい。たくさんのシミュレーションや観測事実を比較した結果、”これが最も矛盾の無い結論である”ことを記している。
著者は科学雑誌"Newton"の副編集長などを歴任した科学ジャーナリストの寺門和夫で、さらに国立環境研究所・海洋研究開発機構・東大などで職を兼任する江守正多が監修している。
国際学会で切磋琢磨していないエセ専門家の懐疑論に騙されてしまった方には、特にお勧めする。