本書は、自然破壊が深刻する中、「自然の生存権」「自然の権利」を根本的に「自然哲学」によって根拠付けている。長い歳月を超えて、私たちの先祖が洋の東西を問わず、大いなる自然に抱かれ、自分の存在もその大自然の一部であり、また思想と存在が一緒であることを知っていたのに、現代人である私たちはその当たり前だった理解を忘れてしまった。全体を通じて、「環境破壊はやめよう」「自然を大切にしよう」などという空虚なスローガンはどこにも存在せず、カント、シェリング、ヘーゲル、ハイデガーの独哲学者、さらにスピノザや親鸞の考察を軸に、深く丁寧な議論が展開されている。考察は多角度で、哲学的であると同時に、法律の具体論や権利の理念もある。カントの『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』からシェリングの『世界霊について』、そしてヘーゲルの『大論理学』へと続く一連のドイツ哲学の流れは読み応えがあった。

　本書はç'°å¢ƒä¿è­·ã®ãŸã‚ã®æ€æƒ³çš„な土台作りã‚'行おうとã-ている。特に自然の権利ã‚'自然å"²å­¦ã®è¦³ç‚¹ã‹ã‚‰ä½ç½®ä»˜ã'るã"とが本書の最大の目的である。基本的に自然に権利は認められるのか否かという議è«-は行われていない。むã-ろ、自然に権利ã‚'もたらすべくè¿'代の自然観や技è¡"観が批判されており、ç'"粋な権利è«-ではなく、è¿'代社会の根源的な批判の一部とã-て自然の権利についてè«-じているといえよう。その意å'³ã§æœ¬æ›¸ã‚'「自然に権利は認められるか」という議è«-ã‚'期å¾...ã-て購å...¥ã-た人にとっては肩透かã-ã‚'食らわされた感があるかもã-れない。ただã-、ã"れまでの自然観・技è¡"観やドイツの自然å"²å­¦ã‚'詳ç'°ã«è«-じているため、ã"の分野に興å'³ã®ã‚る人にはお勧めできる。また、自然ã‚'守るã"とに対ã-てå"²å­¦çš„な位置付ã'ã‚'è!¡Œ!!っていきたいと思っている人にも参考になるだろう。