１巻では載せていなかった部分、何故離婚したのか、どうやって
胸を除去したのか、名前改名などが補填されていて、
「ああ、そうだったのか」とようやく納得する事が出来ました。

１巻には、１巻より前に描かれた部分が多かったのですが、
絵柄が大きく変化したとの事で未掲載。
その為、上記のように「？？」と疑問が残る部分が多かった
のも事実。

「もし２巻が出たら今度こそ載せたい」という著者の言葉を
信じて購入してみたら、ビンゴ！
「あーこういう事だったのか…」と納得。

１巻だけで止まっている方は、試しに２巻も読んでみては
いかがでしょう？
正直、下ネタが１巻は多すぎて、「もういいです…」と
お腹いっぱいな部分もありましたが、２巻は性同一性障害と半陰陽の
違いを描いていたり、「半陰陽とは…」としての入門書としても
オススメ。というか、２巻を読んでから１巻の方がいいかも？

性同一性障害はよく耳にしていましたが、半陰陽については、この本で
詳しく知りました…。

そして最後に思ったのは「いと深き、性の世界よ…」という
事でした。
「性」って、本当に奥が深い…。

インターセックスであることを公言している著者がインターセックスであることを強みとして書いている非常に濃い漫画です。かなり刺激が強いので頭の固い人は次の日に予定が入っていないことを確認してから読みましょう。

僕にとっては第1巻ほどのインパクトはないんですけど(前作を読んでいるから当然か)、それでも面白いのは確か。今回は前作と比べると説明っぽい記述が比較的多く、部分的には少し堅い内容を著者独特の軽いノリで書いた漫画も載っている。性同一性障害と勘違いされること、IKKANさんのこと、著者の戸籍のこと、医者とのやりとりなど、現実に即した内容が結構多い。「友達のキ○玉試食会」などという話も…。

　セクシャルマイノリティと言われる人がいる。
世間の人の頭にすぐ浮かぶのは恐らく
おすぎとピーコ
とか
カルーセル麻紀
とか
KABA.ちゃん
とかだと思う。
なので一般的にセクシャルマイノリティとは
精神の性と肉体の性が乖離した状態の人
と思われている模様。

　しかし世の中には肉体そのものがマイノリティな人がいる。
IS（インターセックス）と呼ばれる人たちだ。
医学的には
男女どちらにも分類不能の肉体を持っている人
を指す。
ところがあまりにマイノリティすぎて
世間にはまったく知られていないという状態。

　この本はそんな類稀なる肉体を持つ作者の自分話である。
とはいえ実話本にありがちな
悩みや苦労を切々と訴える
という類ではない。
どちらかというと
生態記録
に近いと思う。
自分の持つISという肉体と精神の変化を非常にクールに
観察
しているのだ。

　だからといってそれだけではない。
起承転結のある４コマまんがとして
きちんと成立もしている。
結果として
難しい部分は判りやすく
重苦しい部分は軽やかに
という難題を見事にクリアした、
漫画としても楽しめる作品に仕上がっている。

　この本をどう読むか？
ISへの入門書として読む、
４コマ漫画として楽しむ、
啓蒙書として考える、
それは読者の自由だ。

　一番NGなのは
読まないこと
だと私は思う。
他人フィルター無し。
歪曲偏向度皆無。
IS本人が発信するISのお話。
読む価値アリの１冊です。

　ただしシモネタ＆グロネタもありますので
できればR-15で。