ただ、用語に関して一般的な通称とは異なるのではないかと思えるようなものもあり、トレーナーの一般的な「バイブル」というよりは著者達のグループの理論について勉強するといった捉えかたがよいと思います.また写真は豊富ですが例えば一つ一つのエクササイズ毎に利用される筋などが書かれているわけではないので、ある程度は知識がないと細かい筋の名称などはわからないと思います.
それとこの本に限ったことではないのですが、日本で出版される日本人の本というのは引用文献があまり書かれていないことが多く、著者の主張が本人の考えにすぎないのか、それとも研究論文の科学的知見から引用しているものなのかわからないことが多々あります.よって、その信頼性や妥当性に疑問符が付くものがよくみかけられます.この本でも最後に書籍の文献がいくつか紹介されているだけで、論文の紹介がないため、本の中で主張されている事柄がどのくらい科学的な価値があるのかわかりません.この点は残念です.
しかし筋力トレーニングの紹介だけになってしまいがちなトレーニングの本が多い中で、このようにより個別的な要素を含む指導を行う上で参考になる本というのは和書では少ないことから良い本だと思います.トレーニングの本として和書としては星4つ、洋書も含めると星3つの評価になります.お薦めします.