中級程度の交流理論学習に最適な一冊
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本書は,交流理論について,わかりやすくかつ理路整然と書かれた本である.確かに交流理論について書かれた本は多い.しかし,読みやすくわかりやすいが実際には使い物にならないといった類の本や,数学的な証明を必要以上に重視しているためまったく学習がはかどらない本,あるいはわかりやすさを意識しすぎて結果的に本道から外れてしまっている本が大多数である.そんな中,本書は変に凝った表現を用いることなく,簡潔でわかりやすい表現で書かれている.しかも理論的な説明が不充分だということも無い.学習書などで,著者がオリジナリティを出そうとして却ってわかりにくくなっていることがしばしばある.本書のように,凝った表現を用いることなく,マスターすべき内容を網羅している学習書など,そう多くは無い.交流理論の学習に,まさに最適な一冊である.