TNTのサードアルバムは、北欧ハードロックを象徴するような荘厳さの漂う<1>で幕を開ける。このままドラマティック路線を展開するかと思いきや、全体的には北欧的な誇大さが削ぎ落とされている。「あか抜けた」ともいえるクリアなメロディラインと、ハードなサウンドのバランスがとれたアルバムに仕上がっている。
ロニー・ル・テクロの卓越したギターテク、トニー・ハーネルのハイトーン・ヴォーカルも健在だ。キーボードをフィーチャーした<3>やギターフレーズがポップな<5>など、TNTの代表曲が収録されている。(富良仁枝実)
あくまでもリイシュー盤としての評価
★☆☆☆☆
TNTの最高傑作である事は勿論、80年代メタルを代表する一枚。故に作品その物の評価は★★★★★で異論の無い所だろう。しかし商品として考えた場合、昨今の紙ジャケブームに乗っかっただけの安直な商品と言わざるを得ない。2010年リマスターとの事だが、ただ単に音圧を上げただけの代物であって音質に相違は感じられない。ボーナストラックの収録も無いのでコレクション的な価値も無し。来日記念盤に入っていた「Electric Dancer」ぐらいはせめて収録しても良かったんじゃないだろうか。初来日時、パワー・ロック・トゥデイでオンエアされたきりでどの編集版にも収録されていない「Listen To Your Heart」とか「Ready To Leave」のライヴ・ヴァージョンなんかが入ってれば最高なんだけどな。
レコード会社さん、もう少し商品の中身自体の質を考えようよ。じゃないと最終的には紙ジャケを買う購買層からも見捨てられるよ。
名盤が遂に、5月にリマスター盤リリース⇒2800円
★★★★★
遂に、TNTの名盤が国内盤リリースから20年以上で経ちまして、デジリマで発売が決まって嬉しいです。
今回は、紙ジャケでSHM-CD盤での発売で、待っていたいたので楽しみしていました。
国内盤がリリースされた1989年当時は、CDのみ販売だったので、アナログ盤は(海外⇒US盤・UK盤のみ)ありませんでした。
SHM-CDの効果は果たして、良い具合に仕上がるかが気になりますが。
もともと音質は最高なので、例えばデフ・レパードの名盤ヒステリアみたいに、効果が見られなかったように、インテュイションの方は?。
このアルバムの良い所は⇒個人的になるかも知れませんが。
・アルバムジャケットの、アートワークが良い
・音質が非常に優れている(プロダクションが優秀)。細かな事を言えば、音の左右の分離が良いですね。すべての楽器と歌録りが、デジタルレコーディング。
・捨て曲が少ない。(今回もボーナストラックに⇒エレクトリック・ダンサーも入れて欲しかった。)
・トニーの美しい声に、ロニーの個性的なギター。
と、いったところです。
このアルバムは、若い人にも聴いて欲しいアルバムです。
敢えて一言で
★★★★★
言うならば。
棺桶に一枚だけ入れるとしたら、これです。
世間とは
★★★★★
有名な絵かきの作品じゃないけど、なかなか世間に知られる(認められる)って言うのは容易な事じゃナイってことだね。
世の中には、このアルバムみたく過小評価され、忘れられてくモノや人が沢山いるんだろうなぁ。
インテュイション〜直感。
★★★★★
ロニー・ル・テクロのトリッキーなギターと、トニー・ハーネルのクリスタルな高音。ヨーロッパと並ぶ、北欧メタルの旗手。TNT の代表作だ。T.N.T.=トリ・ニトロ・トルエン=爆薬、のイメージとは180度異なる、清涼感のあるヘヴィ・メタルで、代表曲の殆どはラヴ・ソングである。
「インテュイション」という言葉があまり一般的ではなかったことから、フォノグラムから最初発売された時は「〜直感」という副題が付けられていた。当時の限定盤には、ボーナス曲「エレクトリック・ダンサー」も含まれていたらしい(ベスト盤「Till Next Time」で聴くことができる)。
実はこちらも名作と云われる前作「Tell No Tales」で作風を確立。本作でも、そのサウンドを100%引き継いでおり、キャッチーな名曲がずらりと並ぶ。タイトル曲は特に日本で人気がある他、ノリの良い「Take Me Down (Fallen Angel)」も良い。
リーダー・トラックは3曲目の「Tonight I'm Falling」。♪時に言葉は愛を惑わせるから ♪このまま黙って歩こうよ ♪今宵僕は君の元に降り立つよ ♪君を導く光になるんだ …という優しさに溢れた詞が印象的。ラヴ・ソングとして完璧。こんなに綺麗な音をしたヘヴィ・メタルを、私は他に知らない。