ジャケットに惚れた・・・
★★★★★
19世紀のアイルランドの悲しい歴史を思わせるような
どんよりした色合いのジャケットデザインが、何とも地味で良いです。
そんな地味なケルトシンガー、カラン・ケイシーのソロになって5作目は
ほとんどの曲がピアノ伴奏のトラディショナルソングで
ヒーリングミュージック的アレンジが、初めてでも聴きやすいと思います。
抑揚をセーブするように静かにゆったりと歌い上げる歌唱は
聴く人の心を惹きつける力強さを感じます。
4曲目の“BLACK IS THE COLOUR”はカーラ・ディロンと全く曲調が違い
原曲が同じ歌とは思えないくらいですが、悲しみの表現は
カーラより一枚上手かもしれません。
6曲目のみ無伴奏のゲール語で歌われていますが
意味はわからなくても、しみてきます。
この世界では広く知られた実力をうかがい知るような1曲ではないでしょうか。
エンヤとかケルティックウーマンがお好きな方は、もう一歩踏み込んで
こんな本格ケルティックヴォイスに触れてみてはいかがでしょうか。
ちょっと暗いですが、独特の節回しが日本人の感性に合うと思うし
気分を落ち着けたい時などBGMとして流すのも良いし
けれど聴き流すにはもったいないような奥深さを感じる歌声だと思います。