というと非常に堅苦しく感じますが、内容は非常に面白いです。肩肘を貼らずに気軽に国会や国会議員の裏側を垣間見ることができますので、政治に興味のある方だけでなく、国民一人ひとりが日本国民として知っていくべき内容ばかりです。
この著者は現在弁護士とのことですが、大学は仏文科卒。また、学生の頃はカフカを愛読していたそうです。
そのためか文章も小説っぽいところがあり、読みやすかったです。
ただし、短期勤務故に、消化不良と思われる記述も目に付きました。例えば、永田町や霞が関の「非常識」の論評は、ジャーナリストの域を超えていません。
もうちょっと、これまでの経緯や趣旨を掘り下げるべきではないか、と思います。例え、野党や無所属に不利な制度でも、それなりの合理性がなければ存続し得ないと思えるからです。
政策に関する見方もどこか一面的で、腹に一物ありながら、というような、いわゆる「政治的」判断が見当たりません。四番打者に直球を投げて打ち返されている様にも見えます。
私は、そういう理由で星2つ減点しました。でも、それらが却って、本書に一種の瑞々しさを与えているのかもしれません。