原代の「HOT SPRINGS」って、実際にアメリカにある場所の
地名です。
私がこの本を読んだ限りでは、日本の温泉場の事みたいです。
温泉場なんで、観光客がワンサカと来ます。そうなれば、
歓楽街も出来るんで、利権も絡みます。
後は、読んでのお楽しみ~。
私は、戦争へ行った事が無いので何とも言えませんが、第二次
世界大戦で活躍した伝説の男アールが主人公なので、チンピラは
言うに及ばず、暗黒街の黒幕も・・・ッフって感じです。
殺した人の数が違う。修羅場の数や濃さが違う。肝っ玉が違います。
しかし、戦場では戦友からの尊敬を集める英雄も、国に帰れば
タダの人。
そこいら辺もうまく書いてしまうんですよねぇ。ハンターさんは。
アールのシリーズは、銃撃戦はもちろん最高なのですが、
!悪人どもを凹ますアールの啖呵に、個人的に痺れています。
特にお気に入りの啖呵があるんですけど、言ったら悪いもんね。
ああ、言いたい・・・。
ホット・スプリングスは実在の街である。そこで実際に起こった元軍人たちの蜂起という事件も、歴史的に記録された事実なのだそうである。スワガー・サーガそのものも アメリカの現代戦史に深く関わるものだとは思うけれども、この作品ほどに実名固有名詞が飛び交う作品というのは、今までにはなかったことだ。ボブ・リーの誕生直前、
父・アール・スワガーの物語であるだけに、時代設定にきちんと念を入れた努力が窺われる作品。 ハンターは、元々、スペイン現代史に材をとった『さらばカタロニア戦線』でデビューした作家である。本書でも、アメリカの矛盾、とりわけ戦争の意味・無意味を鋭
く追求しながら、ランボ-のように帰還兵が彷徨わねばならない「報わぬ祖国」の土壌を描き、その上に逼迫してゆく男たちの軋轢と闘いのドラマを築いている。
相変わらず銃撃戦の描写がとりわけ活劇ファンの心をくすぐってやまない。もはや、それが売りと言っていい作家であるだけに、この作品でも銃弾は雨霰と飛び交う。
しかし、そうした血腥さの中にあって、二つのサブ・ストーリーが作品に奥行きを与えているのは、サーガ読者としては興味深い。一つは父チャールズ・スワガーの謎の死 とアールの魂の遍歴に纏わる部分。もう一つはアールと妻ジュニィとの家族愛の問題。未来に繋がる母と子のドラマである。
この辺をきちんと描き切るところが、ハンター作品をここのところ毎作成功させている最大最強の理由なのじゃないだろうか? あくまで人間主体のドラマがあって、そこ に展開されるのが苛烈なアクションであるというバランスの妙。このあたりが、やはりハンター作品の徹底した強みなのだと思う。