極めて立体的に書かれた戦闘に関する歴史の本でした。この立体は各時代毎に、歩兵、騎兵と戦車、指揮と統率、攻城戦、海戦の五つの面から構成され、各地の戦略地図と共に読者の戦闘に対する知識を強く刺激して、想像を豊かにしてくれるでしょう。非常にオススメです。同じことが同シリーズの二冊目にも言えました。

　幹部自衛官としての所見です。
　この本は兵種の特性を戦例を基に抽出し、運用サイドの人間にイメージとして伝える事を目的とした本です。日本ではあまり見ない構成ですが、欧米ではリデルハートやジョミニの手法として軍事書として一般的であり、私としては違和感がありません。異なった時代の例が併記されているとの指摘がありますが、歴史ではなく用兵を研究するのであれば、この構成の方が正しいと考えます。実際、軍事理論書では、よく行われます(ex「機動兵種」として騎兵隊と機甲部隊を同一線上で論じる等)。
その意味で、この本は知識として歴史を学ぶ人の為の本＝歴史書ではなく、実際に軍事力を運用する人間の為の本＝軍事書だと考えます。その観点で読んで頂ければ、邦訳された古代戦史を包括した書としては屈指の書物と思います。また、著名なピーター・コノリーのリアルなイラストも一見の価値あり。

PS 装丁が良くないとの意見がありますが、本の内容と装丁には本質的な関連はありません。軍事問題の運用面に興味がある方は、とりあえず一読してた方が良いと思います。

書店でパラパラと見て、とても興味がある内容と思いました。
これはと思い喜び勇んで購入しようと思ったら・・・
どのカバーも傷やコスリ傷、黒文字に至ってはカスレて消えかけてる始末。
書店購入は諦めて、頼りのAmazon.comで注文して見たら。
書店同様にダメージの負った物が届きました。
返品して再送をお願いした所、届いた物は再び傷だらけ!!

カバーをデザイン設計した人は、何を考えてるんでしょうか?
使いこなせない金地のなど使って、まるで素人のやる事です（怒）
神経質な方は絶対購入しない方か良いでしょう。
新品でこんな状態では読む気も失せました。
カバーが変わるまで購入は控えたいと思います。

この時代についてある程度の知識があるならば、各々の文は理解できる。しかし文章となると私には非常に理解しづらかった。

個々の新しい単語が唐突に出現する、似た様なテーマの文が離れた部位に出現、かなり離れた時代について並列に記載するなど。悪文に近いと感じた。複数の学者が無理して書いた読み物的論文を、章毎に繋げただけなのかもしれない。

美しい図や絵・スケッチも比較的多く掲載されているものの、内容・掲載位置ともに適切とは言えず理解の助けになるとは言いがたい。もっと監修者による推敲の余地があったのではないだろうか。

興味あるテーマであるだけに、非常に残念である。