現代パンデイロの鬼才マルコス・スザーノの奏法がつぶさに分かる、画期的なＤＶＤ。
本人が説明を交えて演奏しています。
手順の説明はかなりゆっくり、親切に説明。ワーッといつも通りに叩いちゃって「まぁ、こんな感じです」みたいなゾンザイな解説でないのでご安心を。

伝統的なブラジルのリズム各種、それとその他ジャンル（ファンク、ポップス系など）を収録。
お得意、逆手順の奏法もしっかり原理も含めて解説。

奏法としては、良くも悪くも「スザーノ奏法」です。必ずしも伝統的奏法ではないので、それを前提の上で観るべし。

最後に模範演奏が３曲。スザーノ＋Ｅ．ベース＋シンセ／エレピのトリオで。
何故か、この演奏がなんだかパッとしないのが残念。なんだか野暮ったい曲だし、他のメンツはイマイチだし、収録のクオリティも高くないし。
ここがバチバチだったら、☆５つだったンだけど・・・

スザーノ氏の自宅と思しき部屋でアーロンチェアに座ったまま淡々と解説しながら淡々と模範演奏を見せる、いかにもローコスト＆チープな作りの教則DVDながら、簡潔で無駄がなく実に勉強になる内容である。パンデイロを叩く際のコンセプトを明解に説明しており、「なるほど、そういうふうに捉えればいいのか」と大いに納得。日本語字幕に時折おかしな文章があったりするがまったく問題なし。リズムパターンを書き出したリーフレットが付属しており、日々の練習に役立つだろう。
特典映像としてスタジオセッションの様子が三曲収録されているが、ベースとキーボードがあまり上手くない事もあって蛇足感アリアリ、ここはむしろスザーノのソロパフォーマンス（と歌）を収録してくれたほうがもっと充実したのではないだろうか。