現代における出産の現実
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昔のように気楽に出産に辿り着けない未産女性の心理(社会不安、仕事と自由、経済的問題、年齢的問題)を、
アラフォー世代を例に、アンケートの声を織り交ぜながら分析しています。
加えて、結婚という「ハードル」を越えるためのアドバイスまでされています。「ハードル」なのは、
日本では結婚と出産を切り離して考えることが出来ないからです。
付録の「婦人科知識入門」には、加齢と妊娠能力、タバコによる不妊のリスク等、出産に関し知っておきたい知識が
紹介されています。
昔は「子を授かる」と言うのが通常だったはずなのに、今では、「子づくり」が、当たり前になってきたようです。
そこには、自分が生きていく上で、何でもコントロール出来るという錯覚が汲み取れます。
田舎における結婚・出産事情が紹介されていますが、それには「子を授かる」という表現がぴったりです。
これは著者のそれに比べて非常に対称的です。
著者は都会にてバリバリ仕事をし、結婚・出産そして不妊症治療も経験した人物。女性の人生にとって「こうする方がいいよ」とは言っていませんが、
例えば、こんな対比を通し何が自身に最善なのか気づかせてくれるかもしれません。
広く現代における出産について考えさせられる書です。
力作 女性だけでなく男性にも読んでもらいたい本
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著者の幅広い研究フィールドと自身の経験から書かれた秀逸な力作。題名だけから想像すると、都会の女性向けに書かれた本のようにも思えてしまうが、これから結婚を考えている男性、結婚して出産を考えている男性にも読んでもらいたい本。著者のこの問題に対する真摯な姿勢と、読者に対して丁寧な対応が感じられた力作だと思います。
男子と社会の意見も募集中です
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アンケートの回答でキャリアウーマンが「出産時期を上司に指定された」ことにびっくりしました。
女優並みの人生戦略が要求される人もいるのですね。
そこそこかせいでいろいろ遊び、きりのよいところですぐ妊娠、出産したわたしはラッキーだったのだとしみじみと今感じます。
それにしても子供とはつまり未来。女子だけに考えさせないで〜と思います。
これから結婚&出産、という人向け
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年齢的にも、立場的にも、私のような者はお呼びでないようですが、
読み物としておもしろかったです。
「既婚者たちの『結婚していない=かわいそう光線』がしんそこウザイときがあります」という言葉に、
「それはお互い様だよなぁ〜」と苦笑してみたり、
「女は手の届かない男を追いかけるもので、男は手に入る女を選ぶ」には吹き出してしまったり、
「本当にほしい情報は半径400m以内にある」という言葉に共感したり、素直に読めました。
類書として三砂ちづるの著作がいくつかあって、両者とも結論も同じだと思うのですが、
『女子と出産』の方が、“顧客”のニーズと効果的な伝達方法を心得ていると感じました。
広告代理店での勤務経験がなせる技でしょうか。
三砂ちづるの物言いが苦手な方には、本書をオススメします。
多少気になるのは、いわゆる「アラフォー」にスポットライトが当たりすぎているところ。
「アラフォー」は別に《基準》でも《お手本》でもないし。
35歳前後またはそれ以降に出産した方々の出産・育児体験が読めるかなぁと思って、
この本を購入したので、その点ではアテがはずれましたが、楽しめた一冊でした。
やっぱり大切なこと
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晩婚、晩産の時代だけど、可能なら子供は産んだほうがいいと思う。私も若い頃に産んどきゃよかったと思う日々。自分の時間も大切だけど、子供をもって初めてわかるのがもっと自分の時間が充実するってこと。若い頃には、このことになかなか気づかないんだよね。それでどんどん老化して、産みたいと思ったときにはいろいろと大変だったりする…。もちろん、カラダ的精神的経済的に産めない、産まない選択もあるけど。自分の遺伝子を残せるってことは、すごいことなんだけどなぁ。著者がもう一人、ってがんばる気持ちはすごい共感できる。装丁もかわいくて、読みやすい1冊ですね。