逃げ腰だけど押せ押せヒロイン?
★★★★☆
前作、「この身を悪魔に捧げて」でヒーローの良きサポート役であったシンスター一族の放蕩者ヴェーンが主人公です。嵐を避けようと立ち寄った教母の屋敷で、弟と二人で叔母の家に身を寄せていたヒロインに出会います。一目見てヒロインに惹かれたヒーローは、教母に相談を受け屋敷に滞在することになりますが、その間にヒロインを妻にしようと思い決め、せまって行きます。
ヒロインは放蕩者が大嫌いで、ヒーローが弟に悪影響を与えるのではないかとヤキモキしていましたが、ヒーローが「放蕩者」と言われながら、実は家族想いで真面目な面がわかりヒーローに惹かれていきます。ある理由から自分は結婚しないと思い決めているヒロインは、いっそのこと、とヒーローに奔放に応えていきます。ヒーローは真面目に結婚の申し込みをしようとしますが、奔放なヒロインに圧されてばかりでままなりません。
ヴェーンの意外な優しさ、真面目さや、シンスター一族の、一族の者への慈しみなどが伺えて楽しい作品です。前作のヒロインのホノーリアは見事に女家長になって力を発揮していましたし。
それにしても、このシリーズは追うヒーローと、追われるヒロインという構図なんでしょうか..。