例を挙げる。第1章は”科学の性質と生命の特徴”で、一番言いたいことは”生命の多様性の底には、一つの統一性がある”で、鍵となる概念は”生物学とは生命の科学的研究・・・”、 ”・・・全生物は単一の共通祖先に由来する・・・”、 ”共有された特徴は生命を定義する・・・”、 ”生物学的階層は全生物に及ぶ・・・”、および”35億年より前に、生命が非生命から生じた。・・・”である。
図版が豊富で分かりやすい。生物学に知識のない一般の人も、図版を見ているだけで理解でき、楽しめるであろう。本文から少し外れた多くのトピックスがあり、読みやすいように工夫されている。その中で、二重ラセンの発見に貢献しながら正当な評価を得られなかったと言われているRosalind Franklin博士の功績にも触れている。
私は化学を専攻し、分子構造、化学反応の合理性と美しさに感動し、化学は暗記物と言われると鳥肌が立つが、生物学はもしかしたら暗記物かと思っていた。この本を読み生物学が体系化された科学であるとはっきりと理解した。