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グリーン・ノウの魔女 (グリーン・ノウ物語 5)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 評論社
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細やかに描かれる日常と劇的なクライマックス! ★★★★★
1968年に評論社から刊行された作品の改訂新版全6巻シリーズの第5巻です。表紙と挿絵はいつものように著者の息子のピーター・ボストン氏ですが今回も良い味出してます。

今回の登場人物は中国人難民の少年ピン、オールドノウ婦人とひ孫のトーリーの3人です。ピンとトーリーは初めて会ったと思うけど、冒頭からすでに大の仲良しとなっている。どうやら長い夏休みの途中からお話は始まるようで、3人は最初から意気投合していて楽しい日々を予感させます。

ところが、今回は題名の様に「魔女」との戦いの日々が描かれていきます。とは言っても、最初から箒に乗った魔法使いがやって来て大騒動に、なんて事はありません。極々普通の日々の中に、少しずつ影が差してくるように、徐々に正体を現わして来るのですね「魔女」が・・・。そして、丁々発止の戦いに続いて、クライマックスではあっと言うどんでん返しが!!

正直言って、この物語の今までの展開から考えてそれほど劇的なお話になるとは思っていなかったのですが、読んで見て驚きました。一見地味な展開なのですが、一つ一つのエピソードが実によく考えられているのです。あとがきを読むとその辺の事が説明されていて納得したのですが、 20世紀前半のあの時代の民間伝承や迷信の様な「危ない部分」、そしてキリスト教信仰やケルト人の信仰に基づいた「聖なるもの」への信頼や共存の姿がさり げなく描かれているのですね。

クライマックスでは素朴な信仰の生み出す「力」が劇的に描かれていて圧倒されます。

著者の筆は今までの作品と同様にあくまでも丁寧で、実際に体験したとしか思えないようなきめ細かな描写の積み重ねで物語を形づくっていきます。このような作品って、ひょっとしたら現代では得難いのでは無いか?と思える位です。一読をお薦めしましょう。