事実は小説より奇なり。
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私もとある地域で「100円商店街」という商店街活性化事業に携わっているが、まさにバイブルといえる1冊になっている。著者の人となりも知っているが、まさかこんなすごい「文才」まで持っていたとは、益々恐れ入る。上記のレビューのように、「○○は疑問」というような、自ら考える事を放棄し、他者に答えを求めるだけの方とは、まさに対極ともいえるのがこの著者である。今の日本全体が、自ら「考える」という行為よりも、「すぐ答えを求める」傾向にあるのに対し、あがき続ける著者の姿が爽快である。ネットで調べると、一部地域ではすでに「神様」として神格化(笑)されている節もあるが、それはあくまで結果論であり、ここに来るまでの「涙あり笑いあり」の足跡が記されている。
一見、100円商店街という事業のノウハウを完全に暴露しているかに見えるが、上記レビューにあるような問題に対する解決策は公開していないのがミソであろう。まさに、どれほど懐が深いのか、読めば読むほど益々引き付けられる。著者の講演会でしか公開しないということなのだろう。
商業関係者にはそのノウハウ本として、公務員にはそのあり方を疑問として投げかけ、一般の読者にはエンタメとして、読む人の立場によって受け取り方が違う作風になっているところが、一般の人とは思えないほど完成度が高い。著者は公務員ではなく、作家として生計を立てることも十分可能なのではないのだろうか。久しぶりに、入り口から出口まで、抵抗なくするりと飲み込めた一冊だった。これはオススメです。
非常に興味深いが
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筆者は新庄市の職員でありながら地域の商店街の復興を考え、経費がかからない商店街の活性化「100円商店街」を考え付く。セール当日は繁盛しているみたいだが、90%以上の参加率を求めるのが大変ということと2〜3ヶ月に1回の開催で日々の売り上げの底上げにどれだけの効果があるのだろう、またNPO=人件費がかからないので販促費、経費が安くつくという点もある。何もしないよりはずっとよいとは思うが。もちろん売り上げや費用対効果の公開など、望むべくもないが、次なる一手を知りたい。
商店街再生の起爆剤
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著者が、全国で開催されている「100円商店街」の仕掛け人ということで、気になって購入しました。
特に、商店街離れに対する鋭い指摘は、読んでいて「なるほど、だからか」と納得できました。
それを踏まえた上で、有効的な地域活性化事業が起こせない・定着しない・お金がかかる問題点を
解消した事業「100円商店街」の可能性の奥深さに引き込まれて行きました。お金をかけずに知恵を
絞る、すばらしい事業と感じました。開催した地区の感想も盛り込まれており、生の声を聞けるのも
好感が持てました。地域振興を考えている方々、商店街の関係者の方々には必読の書と思います。