単なる官僚批判本ではない痛快さ
★★★★☆
いわゆる「官僚本」は買わない主義であるのだが、Twitterでこの本の評判を知ったので買ってみた。官僚は犬、国民はご主人様、政治家はドッグ・トレーナーであるべきだというシンプルな導入から始まる。著者の長い官僚としての経験と最近の新しい公共に関する活動を通じて、官僚を取り巻く功罪を痛快に解説していく内容である。文科省出身の著者が他省庁の官僚や若手の現役官僚の行動原理や考え方を明確に述べている点などは流石である。民主党代表選が終わった今、政権中枢の政治家がこの本に書いてあることをどこまで実行できるのか、ドッグ・トレーナーの裁きを我々ご主人様が監視しなければいけない。