スーパーバンドならではの渾身の一曲
★★★★★
1曲で78分と、長尺の曲に慣れていない人は面食らうかもしれないが
あまり先入観を持たずに聴けば、とても心地よいメロディの宝庫であることに気付くはず。
そうでありながらも、緩急のメリハリはキチンとつけられており、テクニック面でもリスナーを
飽きさせることなく最後まで展開していく見事な構成はプログレ界の重鎮だからこそ成せる
まさに「職人技」とでも言うべきだろう。生半可なバンドがこのような作品を出せば
きっと最後まで聴かれることなく次曲ボタンか停止ボタンを押されてしまうだろう。
しかし彼らは違う。徹頭徹尾、まるで世界一周をしているような、躍動的で冒険心溢れるサウンドを
聴かせてくれる。
明るいプログレが好きな人は絶対に損しない内容。
ディスク2は彼らのルーツとなったバンドのカバー集だが、ファンでなくとも聴くに堪えうる安心のクオリティ。
それにしてもこのバンド、ジャケットから見るに、1stで海を越え、2ndで大陸を越え、
そしてこの3rdでついに雲の上まで来たわけだ。その趨勢というか、スケール感は作風にも現れていると思う。
次回作は宇宙突入か?
とにかく最高
★★★★★
transatlanticの3枚目のアルバムです。私はDTのマイクポートノイが参加しているということで購入したわけですが、個人的には彼のドラムはDTよりこちらのほうが好きです。他の方も書いていましたが、DTやLTEが好きな方からすると若干物足りなさを感じると思いますが、圧倒的な存在感はさすがです。
購入前までプログレというジャンルを聞いたことがなく、多少の抵抗感はあったもののすんなり入ってきました。特にこのアルバムに関してはアルバムを通して1曲を12のパートに分けているため、通常のアルバムのように聴くことができます。
マイクポートノイが好きな方、プログレを聴いてみようと思っている方にはtransatlanticをおすすめしますし、特に3枚目をおすすめしたいです。
近年のプログレにしてはあまり練ってない感じです
★★★☆☆
言わずと知れたスーパーバンドのメンバーを引き連れたトランスアトランティックの2009年の作品です。
メンバー編成は相変わらずの布陣でテクニックの方も炸裂してます。
全1曲77分56秒とされてる組曲形式ですが全12曲からなる作りになってます。
それぞれの曲の関連性はないので12曲をバラバラにしたものと考えた方がいいでしょう。
サウンドの方は全体的に「スポックス・ベアード」のような感じです。
これなら1曲組曲にしなくてそれぞれの各1曲ずつのコンパクトな作りにした方がよかったと思います。
全体的にもっさりしてて迫力やインパクトに欠けてて印象は薄いです。
大堂のプログレ・バンドにしては展開やアレンジが練ってないようです。
でも時間の長さに飽きないような静と動を兼ね備えたサウンドのアレンジは多少されてるようです。
特にすごかったのは11曲目の「IS IT REALLY HAPPENING?」の後半の特にラストの演奏の繰り返しの展開のすごさには仰天しました。
正に目からウロコ状態・・・。
全体的に悪くはないんだけど印象はあまり残らなかったです。
これも時代の流れなんでしょうかね・・・・・。
Transatlantic復活!
★★★★★
Transatlantic、8年ぶりの新作である。私としてはTransatlanticと聞いたら、もう即買いなのだが、前評判通りのすばらしい内容である。とにかく、77分続くタイトル曲は聞かせどころがいっぱいである。以前のビッグな2枚に比べると全体的にやや落ち着いた内容となっているのだが、これぞロックなのだとその真髄を聞かせてくれる。しかも誰が聞いても聞きやすい。1曲目から親しみやすいフレーズと、途中からPete Trewavasのかっこいいベースが光る。Neal Morseの伸びのあるヴォーカル、フラワーキングスを連想させるフレーズはRoine Stoltによるものだろう、迫力のあるMike Portnoyのドラム、と巨人4人がそろえば、どこにも死角は見たらない。Bonus Discはカバー曲が主体となるだが、これも親しみやすい内容となっている。アレンジはかなりこっていると思う。07"I Need You"はビートルズとアメリカの融合だろうか。Bonus DVDは、4人が出会ってから本アルバムを作る状況をドキュメンタリーとして撮ったものだろうか。次はこのアルバムのライヴが出るのだろうか。今から楽しみだ。
77分のシンフォニック大作
★★★★★
ニール・モーズ、マイク・ポートノイ、ロイネ・ストルトらによるスーパーバンド、トランスアトランティックの復活作。2009作
まさかの復活である。「SMPTe」「Bridge Across Forever」という2作を残して解散したと思っていたのだが、
8年の歳月を経て、あのメンバーたちが再び集結。なんと77分全1曲という驚異の作品をひっさげてのカムバックだ。
12パートに分かれた長大な楽曲はどこを切ってもニール・モーズ節炸裂で、ゆるやかなメロディで上昇と下降を繰り返しながら
しだいにドラマティックに盛り上がる楽曲を展開させてゆく。マイク・ポートノイの細やかなドラムと安定したリズムを土台に、
ピート・トレワバスのベースの存在感もこれまで以上に光っていて、渋みを増したロイネのギターが合わさると、
まさに鉄壁のケミストリーというべきグルーブ感が曲を支配する。ニールらしいキャッチーな歌メロとコーラスワークに、
古き良きプログレのレトロさを、時代に流されない人間味のあるロックに落とし込んだ、見事な力作であろう。
ただし、誤解を恐れずにいえば、全体的にはいくぶん大人の渋みを増したプログレッシブロックとなっていて、
シンフォニックな盛り上がりは後半からなので、即効性を求める気の短いリスナーには向かないのだが、感動的なラストは
ぜひ味わって欲しい。2枚組エディションには、未発曲に、GENESIS、Procol Harum、The Beatles、Santanaのカヴァーを収録。