本書は2009年7月に『【新版】ビッグツリー~自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて~ 』(ISBN978-4872904215)に生まれ変わりましたのでそちらを参照してください。 「ガイアの夜明け」に著者登場! 「ワークライフバランス」の珠玉のモデル! 6度の転勤、単身赴任、激務そして……。 自閉症の子、うつ病の妻の心と命を守り抜き、東レ同期トップで取締役。苦しいときも「家族の絆」と「仕事」で乗り越えた男のドラマ。何も問題ない家なんてない!
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★★★★★
佐々木さんの講演会の記事にあったプロフィールが気になり、
拝読させていただきました。
私は両親と同居しており、父は3年前の交通事故が原因で、
介護が必要になり、母とがんばっています。
仕事はとってもやりがいのあるものでしたが、
時間的に家族へ重きをおかなくてはならず
昔のようには働けないなぁと、もうほとんど諦めていました。
そんな矢先、この本に出会い、とても感動いたしました。
佐々木さんのような方がいて、まだまだやれるんだと勇気付けられました。
世の中の家族の介護でがんばっていらっしゃる方々に
ぜひ読んでいただきたい一冊です。
母の役割
★★★★★
職務上、献身的な介護をする男性をみますが、総じて男にとって、家事や育児や介護は仕事のカテゴリーに含められている。では女性はどうかというと、それらは生きがいであったり、社会の中での役割との認識ではなかろうか。特に、女性は母としての役割に強度の幸福を感じているようで、認知症となって曖昧になっても昔の育児時代のことを思い出している。だが、母としての役割を担えていないと自己評価する場合には、強いストレスを感じるようだ。佐々木氏は一流の仕事人だ。しかし、奥様の鬱は、体調不良があったにせよ、佐々木氏が奥様に対して、母としての役割を果たしていると自己評価をさせる工夫があればもう少し違ったのではないかと思う。少なくとも、家事育児の佐々木氏の「業績」は奥様には隠さないといけない。母としての役割というテリトリーを佐々木氏が侵したと感じさせない努力はあっただろうか。
自閉症の子は母親になつくものだが、父親に懐いているということは、佐々木氏が母親としての役割を大きく果たしていたということだ。一方で、母娘の関係は一般に強固だが、娘さんに対して必要とされる母親の役割までは果たせなかったことは、記述の随所にみられるが、それは仕方ないかもしれない。
私自身も妻に対して会話の結論を急ぐ(反省)。しかし、女性は会話のプロセスそのものを重視しているようで、奥様もそのようですが、相手(奥様)が望むもの(=会話の結果でなく会話そのもの)を与えていれば、またそれも結果を変えたかもしれません。
とまれこうまれ、佐々木氏の会社や家事育児の業績は非凡なものだ。会社のためにも、家族のためにも本当に努力された。感動した!
色々な事を考えさせられました
★★★☆☆
鬱病になられ自殺未遂をした奥様は悪くないと思いますし、障害を抱えて生まれた
お子様も悪くないと思いますし、他のお子様も悪くないと思いますし、佐々木氏も
悪くないと思うのですが・・・何故、佐々木家はこうなってしまったのだろう・・・と
思いつつ、最後まで読みました。
このような家族再生本は、読み終えると大抵は清々しい気分になるのですが、この
本に関してはそのような気持ちにならなかったです。佐々木氏の頑張りは物凄く
伝わってきました、仕事に家事にと。男性であれだけやれる人は少ないと思い
ます。しかし、どうしてなのか読み終えた後に違和感が生じているんです。
佐々木氏は、もっと家族に向き合うべきだったという意見もあるようですが、現実
問題として経済的な観点からもそのような事は難しかったんだろうと思います。
佐々木氏が銀行勤務だったら100%出なかった本でしょうね。そういう意味では
東レってこういう会社なんだと思いました、決して悪い意味ではありません。
新版も出ているようなので、そちらも読んでみたいと思います。
続編も読みましょう
★★★☆☆
自閉症やうつ病の家族がいながら、
上場企業の役員まで勤めた著者の体験記である。
転勤の多い職種であるとともに、
家族が手首を切った、飛び下り自殺をした、などの状況下で、
懸命の努力によって乗り越えてきたことには頭が下がる。
私自身は転勤は少なく家族も健康で、想像することしかできないが、
本当に大変なことであったと思う。
ご本人の大変な努力によって、このような結果を出せた訳だが、
「普通の人」はなかなかそこまでの努力は難しい。
同様の境遇にある方は、本書の内容を真に受けて、
自分にもできる!、と思い込まない方が良いと思う。
本著者の続編「部下を定時に帰す...」を読み、
自分でできる範囲での業務の効率化を行いましょう。
壮絶な体験から到達したライフワークバランスの境地
★★★★☆
1.内容
東レ経営研究所代表取締役社長で、週刊東洋経済に連載記事を持つ著者のおそらく出世作。著者の単身赴任、長男の自閉症、長女の自殺未遂、妻のうつ病と、次々に著者や周りに襲いかかる試練を乗り越えつつ到達した、ワークライフバランスの境地。
2.評価
短所としては、労働問題について批判的なトーンが弱いところがある(単身赴任に対する批判がない、p65のような長時間労働の記述では、奥谷禮子さん流の自己責任ともとれ、根本的な解決には至らない)といったところだが、全体的な内容としては、ヤワな心でライフワークバランスを提唱しているわけではないことがわかるし、大多数の人がおそらく体験しない人生であろうから、(言葉としては不適当だが)興味を持って読んでもらえる出来である。以上、短所で星1つ減らして、星4つ。